ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 椿原小学校探偵部、始動【第4話執筆中】 ( No.120 )
- 日時: 2010/12/01 17:42
- 名前: 星都 ◆U9Gr/x.8rg (ID: PWqPGq9p)
——放課後——
《探偵部部室》
「あ、あのっ!えと、お、大沢忠です!!」
探偵部部室では、年上の美男美女に囲まれてかっちかちに緊張している、依頼人の大沢忠を招いて
話を聞いていた。
正直言うと、大沢忠の話より愛香の母親に聞いた方が役に立つと思ったのだ。しかし愛香に言ったら、これ以上聞くと咲良のクビが危ない、といやがったのだ。
「まぁそう堅くならずにさ」
「そうそう!もっと明るく行こうよ!!」
「あやが明るくなってどうするんですの?」
「そうですよ。あやはもっと静かにしてください」
「な、なにをー!!」
だんだん話が脱線していく中で、愛香だけはそれを溜息をついて見ていた。
ばかばかしいと言いたいようだ。
そんな雰囲気を吹き飛ばすようなマイペースな声が、部室の入り口から聞こえた。
「そんなになれなれしい雰囲気だと、逆に彼もくつろげないだろ」
「耶麻さん!」
苦笑混じりの言葉に、かなたは顔をほころばせた。助け船を出されて安心したようだ。
しかし、愛香だけは迷惑そうな顔をしていた。おそらく昼休みのことを思い出したのだろう。
「やぁ。君が依頼人の大沢君だね?僕は探偵部顧問の罪木耶麻。よろしくね」
「は、はい……」
顧問と聞いてさらに緊張したのか、がちがちと音がしそうなくらいの堅さで、ぎこちなくお辞儀をした。
「…どうでも良いけど。さっさと話してくれない?」
「す、すみません!!」
耶麻の出現によりさらに不機嫌になった愛香は、忠に向かってついトゲのある言葉を投げかけた。
「愛香、大沢が怖がってるだろ。
さ、愛香は気にせずに話してくれ」
「は、は、はい!!」
緊張は抜けないまま、忠はおどおどと話し始めた。
その内容は、伍嶋塔や幽。愛嘉や蘭から聞いたこととあまり変わらないため、割愛。
愛香は居眠りまでしている。かなたたちも時に欠伸等をしていた。
「あ、あの。な、何か変だったですか?」
「へ?あ、ううん。そんなこと無いぞ」
「で、でも…一城さんが寝てしまってますし……」
すると、かなたは机の下でそっと愛香の脇腹をつねる。
「ッ——!!」
「ほ、ほら。寝てなんか無いぞ」
「……痴漢。変態。ストーカー」
「うっせーよ!!っつーか最後の一言余計だろ!!いや、すべてが余計だけどなぁ!!」
そんな2人を無視すると、秀二は忠の方を向いた。
その冷静さはある意味すごい。
「大沢さん、君の情報は…その…とても役に立ちましたよ」
「ほ、本当ですか!?」
秀二のフォローを素直に喜ぶ忠。
そして、時計を見ると塾があるので、と言い残して部室を出て行った。