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Re: 椿原小学校探偵部、始動【第5話執筆中】 ( No.133 )
日時: 2010/12/23 14:50
名前: 星都 ◆U9Gr/x.8rg (ID: PWqPGq9p)

——30分前の探偵部——

「……こういうのはどう?」

目をつぶって何かを考えていた愛香が、目を開いた。
その瞬間、一斉に顔を愛香に向ける。

「私が青山佐那の家に行く」
「…はぁ?ちょ、待ってくれ。家に行くって…そりゃ確かに難しくはないけど、
 中には入れてくれないぞ?」

すかさずかなたが突っ込む。
青山佐那が誘拐されているともなれば、家には刑事達が居るはずだ。警戒心も強いはず。そんな中にどうやって行くのだろう。
そんな疑問点が探偵部全員の頭の中に生まれた。

「中には入れても入れなくても、今のままじゃ埒があかないでしょ。それに、耶麻さんも一緒に行ってくれたら知り合いの刑事に会えるかもしれないし」
「あれ、もしかして君は僕頼り?」

今まで面白そうに見ていた耶麻が不満そうにつぶやく。しかし、その目は笑っている。
——マジシャンのマジックに協力できるなら喜んでやろうじゃないか。
そう言っているようにも見えた。

「この中で一番警察にお世話になっているのは耶麻さんですから」
「……まるで僕が何回も補導されたみたいに聞こえるんだけど」
「……んじゃ、まぁ。青山佐那の家に行きますか」
「無視か……」

1人で寂しくつぶやく耶麻を無視すると、愛香は青山佐那の家に行き、なにをやるか。どうするかの手順を話し始めた。

「まず、私と耶麻さんで青山佐那の家に行く。耶麻さんは新しく入ってきた副担任、私は青山佐那の友達という設定でね」
「その間、俺たちはどうすれば良いんだ?」
「かなたたちは近くの公園で待機してて。何かあったらかなたの携帯に連絡するから」

その言葉に、かなたは分かった、と頷く。
そして、青山佐那の家に向かった。