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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 椿原小学校探偵部、始動【いつの間にか参照700突破!?】 ( No.140 )
- 日時: 2011/03/28 18:03
- 名前: 星都 ◆U9Gr/x.8rg (ID: p81XYxhw)
「……それで?どうしてあんたたちがここにいるの?」
玄関前で咲良は2人に向かって、なるべく怒りを出さないように静かに言った。
愛香も耶麻も居心地悪そうにしている。
「実は、この事件を探偵部で捜査していて——」
「子どもが遊びで関わるんじゃないの!」
愛香の言葉は見事に一括された。ここは頼りないけど、果てしなく頼りないけど、出来れば一生頼りたくないけど、耶麻に頼ることにした。大人が居るというのは心強い。……たとえそれが耶麻でも。この際は仕方がない。わらにもすがりたいのだから。
「伯母さん、彼女たちは遊びで関わってるんじゃありません。すくってあげたいって思ってるから関わっているんです。
そうでなきゃ、事件に素人が関わるわけないし、顧問である僕もそれを許しません」
普段は飄々としている耶麻でも、一応大人であり教師だ。ましてや、探偵部という危険にさらされるかもしれない部の顧問だ。
それに、自分が探偵と言うこともあって危険は重々承知している。だからこそ、耶麻はこの子達に事件を解決させたいとも思うし、何より護ってあげなくてはと言う責任感も感じた。
「お願いです。決して邪魔はさせません。無事にこの子達が解決させてあげたいんです」
そんな真剣な思いが伝わったのか。咲良はしばらく考えると、やがて諦めたように溜息をついた。
「私はこの子の母親だけど、刑事でもあるの。だから私の口から捜査情報は教えられないわ。
でも、警部ならきっと耶麻さんの思いを受け止めてくれるはずよ」
「お母さん…!!」
「ありがとうございます、叔母さん。……おそらく、解決の時はそう遠くないですよ」
「え?」
最後の耶麻の言葉は、咲良に聞こえなかった。
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