ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 椿原小学校探偵部、始動【いつの間にか参照700突破!?】 ( No.142 )
- 日時: 2011/03/28 18:46
- 名前: 星都 ◆U9Gr/x.8rg (ID: p81XYxhw)
第6話(完結編)
「—————と言うことらしい」
耶麻からメールで来た『独り言』を部員に伝えると、かなたは溜息をついた。
「耶麻さんと愛香だけいいなぁ」
「かなた、今それを言っている場合ではありません」
「そうですわぁ。すぐに事件を解決することが、優先です」
ぶちぶちと文句を言っているかなたに、それぞれが言う。
でも、内心かなたと同じ事を考えていたのも事実だ。愛香は頭が良い。授業のことも一度聞けば憶えてられるし、テストの成績もかなり優秀だ。先生から私立の中学を受けてみないか、と誘われているという噂も聞く。
それ故に、探偵部はもどかしさを感じているのだった。自分と同じ人間で、同じ年齢で、同じ探偵部。なのに、なんでこんなに力の差を感じるのだろう。
そして、そんな事を考えている自分に無力さを感じるのだった。内心、この事件も愛香が1人で解決してしまいそうで、それが何より一番怖かった。
「……とにかく、今はそんなこと言っている場合じゃないよ!」
あやが無理に明るい声で言う。確かにそうだ。今は事件の解決を優先させなければ。
そして、愛香1人で解決しても良いじゃないか。仲間なんだから…。
そう思えるほど、心のゆとりが出来たとき。青山佐那宅から戻ってきた耶麻と愛香を見つけた。
「お帰り。どうだった?」
「どうって…。お母さんに会うなんて思わなかった」
「確かに。あれには僕も予想外だったな」
「じゃなくて、話を聞いた感想だよ!」
じれったくなったあやが声を荒げる。
その言葉に、愛香がおもむろに口を開いた。
「そのことだけど———。もしかしたら、事件の謎が解けたかもしれない」
その言葉に、長い沈黙。ただ、耶麻だけが面白そうに笑っているのは変わらない。そして———。
「「「「なんだってーーーー!!??」」」」
見事なまでの重奏が、公園に響き渡った。