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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 椿原小学校探偵部、始動【立て直しです】 ( No.16 )
- 日時: 2010/10/12 18:10
- 名前: 星都 ◆U9Gr/x.8rg (ID: PWqPGq9p)
キーンコーンカーンコーン…
午後5時。生徒の下校時刻を知らせるチャイムが鳴った。
合唱部や吹奏楽部などの部員が、一斉に昇降口に押し寄せてくるため、混雑していた。
「よぉ、かなた。一緒に帰ろうぜ?」
「ん?ああ、高峯か」
昇降口で靴を履いているとき、後ろから声を掛けてきた男子が居た。
沿道高峯。かなたの親友であり、もう1人の幼なじみ。愛香はすでに靴を履き終えて、校門のところでかなたを待っている。
高峯は、近くに愛香がいないのを見ると声を潜めていった。
「………愛香は?」
「ん?愛香?あいつなら校門のところに居るけど」
「そ、そうか………」
そう言うと高峯は、はぁと溜息をついた。
かなたは不思議そうに見つめると、行くぞと声を掛け、校門に向かった。
「遅い。いつまで待たせるつもり」
「混雑してたんだからしょーがねーじゃん」
「煩い。……高峯も居たんだ。じゃあしょうがないね」
「ちょい待てや!」
愛香は最初不満げに見ていたが、後ろに高峯の姿を確認すると、
足早に歩き始めた。
「今日の探偵部どうだったん?」
「んー、まぁいつも通りだわな。問題をみんなで解いたり…」
「解いたりって、それしかやってないじゃない」
愛香の冷ややかな言葉を黙殺。
そんな光景を、高峯は苦い笑みを浮かべると愛香に向けてさわやかな笑みを向けた。
「それで?やっぱり愛香が一番か?」
「………えぇ。まぁ」
「へぇ。愛香はここの構造が違うんだな。ここの」
自分の頭をコンッと軽くたたいた。
「なぁ、俺と愛香の対応違くね?」
高峯に批難めいた言葉を、こっそりと言うと高峯はさわやかな笑顔で言った。
「まさか。お前の気のせいだよ」
かなたには、その笑顔がうさんくさく見えたという。
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