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Re: 椿原小学校探偵部、始動【オリキャラ募集】 ( No.26 )
日時: 2010/10/15 14:18
名前: 星都 ◆U9Gr/x.8rg (ID: PWqPGq9p)

第2話
 

〜4-2〜

「失礼します。大沢君居ますか?」

かなた達が教室に行くと、まだ生徒達が友達と話していた。
人数は10人程度。
 すると、教壇の近くにいた男子生徒が声を掛けてきた。

「忠なら今頃体育館の裏じゃないか?」

その言葉に、そばにいた男子がからかうように続けて言う。

「確かに。あいつ、1ヶ月に1回は体育館裏で告白してるからな」
「ほんと、ほれっぽいよなぁ」
「惚れっぽい?」

男子生徒の言葉に、探偵部は首をひねる。
しかし、今は依頼者に会わないと話が進まない。
明日の放課後という選択肢もあるのだが、もしこれが大事件に発展したら(それはないと思うが)
早いほうが良い。

「なぁ、体育館裏に居るんだよな?」
「多分な」
「……行ってみよう。あやと乙葉は、その休んでいる生徒について聞き込みしてくれるか?」
「分かりましたわ」
「ラジャー!!」

ここをあやと乙葉に任せると、かなた達は急いで体育館裏に向かった。


〜体育館裏〜

「……はぁ」

体育館裏にある、一つのベンチに1人の男子生徒が座っていた。
ゆるい天然パーマがかかっている黒髪を、風がふんわりとなびいている。

<……あいつだよなぁ?>
<そうじゃないですか?>
<……どこが告白中よ>

その3メートル弱離れた木の影で、かなたと愛香、秀二が話している。
 あの男子生徒は『告白』と言っていた。…が、実際は異なっている。
 まず、あたりに女子なんて1人も居ない。女子どころか人がけが見当たらない。
 そして、いかにもその男子生徒は『振られた』って言うわけではなさそうだ。

<……かなた、行ってきたらどうですか?>
<俺かよ!>
<当たり前じゃない。探偵部部長なんだから>
<くそ、こんな時に部長が行けって有りかよ…>

ぶつくさ言いながら、ベンチに近づこうとしたときだった。

「ダメだよ?傷心中の少年に、変に近づいたりしては」
「へ?」

3人が後ろを振り向くと、1人の男性がいた。
 否、男性よりむしろ『青年』の方があっている気がする。 
 黒くて長い髪の毛をポニーテールにし、オッドアイの青年。外見は20代前半。服装は、くたびれたスーツで、第一印象は『自由な人』だった。

「……もしかして…。耶麻さん?」

かすれた声で愛香が言う。見ると、かなたも嘘だろ?と言うように固まっている。
 秀二が首をひねりながら尋ねた。

「えと…。どちら様で?」
「あれ?まぁ知らなくても同然かな」

青年はいたずらっぽく笑うと、右手をひらひらと振った。

「本日からこの探偵部顧問になった、罪木 耶麻です。
 よろしくね、探偵部諸君」