ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 椿原小学校探偵部、始動【オリキャラ募集】 ( No.31 )
- 日時: 2010/10/18 17:38
- 名前: 星都 ◆U9Gr/x.8rg (ID: PWqPGq9p)
- 参照: http://神のみぞ知るセカイ……。最高ですww
「そんなに僕とかなたが従兄弟同士って言うのが不思議かい?」
注意しに来た先生が女の先生というのが幸いか。耶麻のさわやかな笑顔を見ると、「静かに活動するように」と言っただけで、すぐに職員室に戻っていった。
「当たり前じゃない。あなたみたいな面倒くさがり屋の人が、かなたと従兄弟だなんて」
机の上に座っている愛香が、腕を組みながら言った。
明らかに不機嫌だというのが、顔に作った何重ものしわで伺える。
「酷いなぁ愛香も。小さい頃から探偵の基礎知識を教えてあげたのは、何を隠そうこの僕だよ?」
「なるほど…。だからこの2人が探偵のことについて馬鹿と言うほど詳しいのか」
秀二の「馬鹿」と言うところをあえて無視すると、かなたはもう一度耶麻の方に向き直った。
「小さい頃は無駄な知識とは思ったけど、今となっては感謝してますよ」
「同感。耶麻さんは本当に、いらない知識なんかを吹き込んでくれたので、無駄に知識の幅が広がりました。ありがとうございます」
愛香の皮肉に、ふんと鼻を鳴らすと、耶麻は探偵部全員を見回した。
「それで?依頼の詳細を教えてくれるかな?探偵部顧問として、少しは知っておきたいだろ?」
——5-3——
愛香とかなたと秀二が、体育館裏で耶麻と再会しているとき。教室ではあや
と乙葉が聞き込みをしていた。4年生だけで聞き込みをせずに、同級生にも聞いてみようと、5年3組の教室に来ていた。
「ねぇ、最近休んでいる女子って分かる?」
「…………………」
「…………………」
あやが聞いたのは、双子の女子と男子。2人ともぽっちゃりとしていて、唯一違うところはメガネを掛けている方が男子だった。
「えと…。もう一度聞くけど、4年でしばらく休んでいる女子について情報を……」
「………………面倒くさいな」
「え?」
やっと口を開いたのは、メガネの男子。しばらく近くで聞き込みをしていた乙葉が、
あやのところに来た。
「あら?……どうしたの、あや。いかにも血管が切れそうな顔をして」
「……だってぇ!!初対面でいきなり悪い言葉で言うなんて!!酷いじゃない!!」
「………初対面?何を言っているの、あや。1年生の時に同じクラスだったじゃない」
————————沈黙。
「あ!思い出した!!伍島塔に、幽だ!」
「やっと思い出したか…」
「……………」
輝く笑顔のあやを見て、乙葉は静かに溜息をついた。
1年生の時のクラスメイトぐらい覚えられないのか…。
「あのね、塔くんと幽ちゃん。ここ最近4年生の女子が、休んでいるみたいなの。
何か心当たりある?」
2人はしばらく黙っていたが、塔が面倒くさそうに言った。
「知ってるよ。青山 佐那だろ。俺たちの家の近所だ」
「……その家。最近人がいっぱい居る。煩くて仕方ない」
塔の後に幽が口を開く。乙葉はその情報を頭の中にすばやくメモすると、これと無いほどの笑顔を見せた。
「ありがとう。とってもいい情報でしたわ。あとで詳細を知りたいので、明日の放課後。探偵部の部室に来ていただきませんか?」
その言葉に、2人は瞬時に顔を見合わす。
そして——
「「面倒だけど、行ってあげる」」
何ともチームワークの良い返事が返ってきた。