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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 椿原小学校探偵部、始動【第2話執筆中】 ( No.71 )
- 日時: 2010/11/10 18:57
- 名前: 星都 ◆U9Gr/x.8rg (ID: PWqPGq9p)
二階堂欄の話を聞いた直後。あまりの情報に、探偵部の部室にいる全員が絶句してしまった。
その証拠に、沈黙が約15秒間続いた。
「「「「誘拐ーーーー!!??」」」
「だからそう言ってるでしょ。話が分からない人たちね」
探偵部の絶叫に、遅い、と気だるげにつぶやくと、蘭はもったいぶったように笑った。
「しかも、その情報。それだけじゃあ、終わらないのよ」
誘拐というのは、その近所のお喋り好きのおばさんから聞いた事よ。
詳しいことは分からないらしいけど、誘拐なのは確か。現に、セールスマンを装った警察の人が、近所の住民に聞き込みをしているらしかった。
その警察によると、3日前の夕方。学校を4時にでた青山佐那は、近くのタコ公園での目撃を最後に、消息が不明になったという。
「———そこまでしか情報は入っていないわ」
蘭はそこでふぅ、と息をつくと肩の力を抜いた。知らず知らずのうちに、肩に余計な力が入っていたらしい。それぐらい、今のこの部室の状況は、緊迫している物だった。
「なんだかすごい状況になってきたな…」
それが、今の話を聞いた直後の、かなたのしょっちょくなかんそうだった。
黒板を見ると、愛香がチョークを持ったまま呆然と立っている。肩が上下に揺れているように見えるのは、気のせいか。
「……愛香?どうかしましたか?」
心配した秀二が、席を立って愛香の顔をのぞき込む。すると、愛香は顔を上げてにやりと笑った。
「くすッ。———面白そうじゃない」
“にやり”という表現が、これほどまでに似合った笑顔は、かなたには見たことがなかった。
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