ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 心が崩壊する時-Love reason- 題名微変更しました ( No.7 )
- 日時: 2010/10/17 19:55
- 名前: 浅葱 ◆jnintUZIrM (ID: m26sMeyj)
- 参照: http://PCが変わったので名前も変えてみました← 十六夜です
第一章 誰か私を救ってください
「はぁ……」
だるい。至極だるい。と言うか何か何かをする気力が沸かないったらありゃしない。
俺—佐嶋洋介は自分のやる気の無さと長ったらしい先生の授業に呆れつつ楽器のカタログを読む。
ちなみに俺は弦楽部と言う吹奏楽部では多いコントラバス意外にヴァイオリン、ヴィオラ、チェロを使うクラシック系音楽部に入っている。
最近では後輩も出来て忙しい……と言うのが何故か憂鬱で仕方なくだけど弦楽は続けたいので四苦八苦。
まぁ、そんな状態の俺が授業に集中できるわけは無くて……
「言い訳長いって。つーか元々やる気無いでしょ?」
はい。その通りです。とでも言う俺の心情を汲み取りに汲み取った言葉を発したのは静雲零。
幼馴染で会話状態から分かる通り同じクラスの席は俺の一個後ろ。話すのに絶好と言う環境。
しかしそう言っている零の手に握られているのは教科書では無くトロンボーンと言う楽器の教本。
おいおいそれじゃあ説得力が無いだろ、と思わず俺はツッコミそうになるがこちらも説得力が無い。
結局、どっちもどっち。
「てかさーいい加減結衣ちゃんに返事すれば?」
「だから俺はそう言う気無いし……」
「珍しくお前に好意を持ってる女子を放っておく何て馬鹿じゃねぇの?」
うん、酷いなぁ。と涙目になりそうな沈痛な気持ちを抑え前を見るとニヤッと笑う山瀬秋の姿が見える。
秋は零の従兄妹で俺が知り合ったのは零とは違い中学から(ちなみに零は幼稚園)。
今では3人仲良し……とは語りきれない複雑な様で単純な仲な3人な訳である。
何しろ2人ともやけに毒舌だし。ちょい凶暴だし……
「まぁ、嫌いって訳じゃあ無いけどさ。色々あるし」
「だーっ! 面倒臭い奴だな〜」
秋は(先生にバレない様に)俺を小突きながらニヤニヤ笑う。ったく、凶暴だよなぁ……と思った。
まぁ、何で俺らがこんな会話をしているかと言うと最近俺が世に言うラブレターと言う物を貰ったせいだ。
———————————————
それは少し前を遡る事1週間前。
ありふれた日常に有り得ない物があった。
「何だ、これ……」
朝、学校にやって来て机を探ると奥の方に綺麗な文字で書かれた丁寧な感じの手紙があった。
宛先は俺で何だよこれ、と正に心の中の台詞を思わず口走り自分に苦笑しつつも手紙を開く。
中には可愛い感じの便箋にこれまた綺麗な文字が書かれていてこれは世に言うラブレターだと察した。
何しろ一文目から“好きです”を来ているので。
「あれ、どうしたんだよそれ」
「机に入ってた」
暫くすると秋がやって来て突っ立っている俺を不審に思ったのかこちらへとやって来た。
そして俺は迷う事無くそのラブレターを秋に差し出して見せると秋はすぐにそのラブレターを読み始める。
文章を全部読み終わると同時に俺を見て、また手紙を見てそしてもう一回手紙を見て驚いた顔をする。
「おい、これってラブレターじゃねぇの? しかも『15日までに返事を下さい』とかあるんだけど」
「うん。そうだな」
おいおい凄ぇな!とさもおかしそうに秋は笑いながら俺の肩を痛いくらいにバシバシ叩いた。
俺は肩を抑えながらこれは笑い事じゃないって……と溜息をついて手紙を見る。
ちなみにこの時の日にちは5日。期限は後10日。
そして現在—8日に至る訳である。