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Re: Blue cross ( No.98 )
日時: 2010/11/15 16:26
名前: 浅葱 ◆jnintUZIrM (ID: m26sMeyj)

15 陽光の在り処

「何ですって……?」


夜空の様な不思議な色合いの瞳に、動揺が走る。あたりが少し暗い其処に彼女———神崎撫子は居た。
顔こそ笑顔だから其処にいる人々は何を考えているのかは分からなかったであろう、しかし動揺している。
彼女は“R・S部隊”の特別班……陽光の十字架の在り処を誰よりも最先端で調査している班の一員だ。
勿論それなりに実力は伴う訳で、簡単に言うとそんな彼女が(多少だが)驚いている事は自体が大きいと言う事を示している。


「先ほど申しましたように、陽光の十字架の在り処が……「あぁ、そちらでは無くて」


深い青色の瞳がキョトンとした風な表情になったかと思うと、すぐに元の表情に戻り答える。そんな少女の名は碧亜空。神崎撫子と同じ特別班の一員。
左の前髪がかなり長く、少し目に覆いかぶさっていた。
そして撫子の意外な返答に空はさらにキョトンとした表情になる。訳が分からないとでも言っている様だ。


「本当なの? ……櫻井夏苗がブルークロスだと言う事は」


櫻井夏苗、と言う所をやや強くしながら撫子は聞く。……空は迷う事無く頷いた。
ブルークロスと言う言葉はどうやら二人の間で共通している言葉らしい。
果たしてそれがどう言う意味を成しているのかも、恐らく二人の間のみでしか知られていないのだろう。
それはさておき、空は頷きながら言葉を紡ぐ。


「陽光の十字架を宿している事からほぼ……いえ、間違いなくブルークロスです」


「目覚めるのも、遅くは無いと言う事ですわね?」


はい、と空が返事をすると撫子は愛用の二刀流を取り出したかと思えば弓矢も持って歩き出す。
空は不審に思いつつも一応自分の武器のカッターを数十本持って着いて行く。


「……どちらへ?」


撫子は空を見ながら、何を考えているのか分からない笑顔で少し考えている様子を見せる。


「ブルークロスが目覚めるのはもう間も無いわ。幸い、此処は彼らの任務地だし……陽光の十字架の回収へと行きましょう」


「……了解しました」


空は頷きながらナイフを服にしまう。しまってしまうとナイフが何処にあるのかが分からなかった。
そして何を話しているのかは彼女達にしか分からないものだったが、陽光の十字架と夏苗が関連している事のみハッキリと分かる。
……それをさらに裏付ける証拠としてあげられるのは






二人の今居る場所は、イギリス。





夏苗達のグループの、任務地だった。