PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 僕達の世界 ( No.2 )
- 日時: 2010/10/25 18:55
- 名前: クロウ ◆vBcX/EH4b2 (ID: PlVnsLDl)
今俺は、教卓の隣に立っている。
教卓のそばにある事務椅子には、男性の教師が座っている。
「この二人が、今日転校してきた、橘 望さんと叶さんです。私は、新任の折原 和也です。これから宜しくお願いします」
担任の教師がそう言って、笑って見せた。
俺の隣にいる望は微笑み返すが、俺はそんな教師を横目で見て終わりだった。
担任の教師はくるりと事務椅子を回して、生徒の方に向き直る。
「2人に、何か質問のある人はいますか?」
男性教師がそう言った途端、教室が五月蠅くなった。
信じたくはないが、クラスメート18人の手が、すべて上がっている。
面倒なことになってしまった。誰にも聞こえないよう、小さく歯ぎしりをした。
声をあげて、手を上げるクラスメートを見て、望は驚いて、目を丸くしていた。
前の学校では、このようなことはなく、クラスメートが消極的だったから、このような反応に戸惑っているのだろう。
担任の教師がクラスメートの名前を呼ぶと、その生徒が質問をしてくる。
誕生日、血液型、趣味、出身など、様々な質問を投げかけてくるクラスメート。
俺はその質問を適当に受け流す。
望は真剣に1つ1つに答えているが、俺はそのようなまねをする気はない。
そうこうしているうちに、1時間目終了のチャイムが鳴った。
担任の教師は
「余った席があるので、好きなところに座ってください」
といった。
窓際の一番隅の席と、右隣の席がちょうどあいている。
俺は窓際の席、望はその右隣の席に座り、次の授業の準備をした。
PR