ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 神の能力者 ( No.13 )
日時: 2010/11/01 21:29
名前: メゾ (ID: 8.g3rq.8)

第八話  「兵隊」

帰り道—
トレア、ミュリ、コルルはいっしょに帰っていた。
「学校には慣れた?」
ミュリがコルルに聞いた。コルルは「あぁ」と答える。
「クロアとコルルってお似合いだよねー」
トレアとコルルを見てほほえむ。二人は顔を見合わせ
「そうかな?」
と、同時に聞いた。あはは、とミュリが笑う。
「あ、私ここで別れるね」
と言って交差点のところでミュリは右に、トレアとコルルは左に行った。
「ねえ、コルル」
話かける。
「なんで捕まえられた時、特殊能力を使わなかったの?」
少し間をおいてから
「もう自分の手で人を傷つけたくなかったから」
「じゃあ、なんで私の前で能力を使ったの?」
質問を続ける。コルルは黙った。
「…言えないの?」
うなずく。トレアは
「じゃ、言えるようになったら教えてね」
と、言った。またうなずいた。それから二人はずっと帰り道、黙っていた。

*

夕方—
トレア、ヴァニアはいっしょに夕食を食べていた。
「トレアは彼のことが好きなのかい?」
ヴァニアが聞いてきた。ぶっと吹き出す。
「会って二日目です。好きなわけないじゃないですか」
「ひと目惚れ」
「お兄様!!」
怒った顔でヴァニアに言った。「冗談、冗談」と笑う。
「お兄様、彼、軍団に入れてもいいですか?」
「いいよ。彼のことは君にまかせてあるからね」
優しく言った。「ありがとうございます」トレアは言った。

*

「コールルー」
トレアはコルルの部屋の前で呼んだ。コルルがドアを開け、顔をのぞかせる。
「ついてきて」
そういうと、部屋から出てきた。二人は地下通路を通る。やがてドアが目の前に出てきた。トレアはドアを開けた。光がさしこんでくる。コルルはまぶしくて目を細めた。
「ここは…?」
トレアにたずねる。
「ここは訓練所。兵士のみんながよく使うの」
にこっとほほえんで答える。そして壁にかけてある服を手に取り、コルルに渡した。
「一週間後、兵士同士で№1を決める行事があるの。№1になったら軍人になれる。軍人になったらいろいろやりやすくなると思うから、がんばって№1になってね」
「え…それってどういう意味…?」
コルルはよく分からないような表情で聞き返す。トレアは
「真剣を使うから、気ぃぬくと死ぬよ」
と、真面目に言う。そして、はい、と剣を渡した。
「特殊能力は気づかれない程度なら使っていいよ」
にこっと笑って部屋から出て行った。
「できるかぎりやってみるか…」
コルルはつぶやいた。


*後書き*
どうも!!メゾです。
なんかこの回、つまんなくね… ま、いつもか。
ようやく大好きな決闘シーンに近づいてきました。
コルル君とトレアちゃん、戦わせようかな…
なんか、想像するだけでもわくわくします ふふっ
次回は結構長いです。ですが、読んでいただけると嬉しいです。(コルル君とトレアちゃん、戦うかも…)
第八話、最後までよんでくださり、ありがとうございました!!
次回もよろしくおねがいします。
             メゾ