ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神の能力者 ( No.18 )
- 日時: 2010/11/04 20:27
- 名前: メゾ (ID: 8.g3rq.8)
第十一話 「ソマリ」
剣がぶつかりあう。トレアとコルルはゲームをしていた。二人は無言で撃ち合いを続ける。すると、だんだんコルルの剣を振る速さが速くなった。それと同じようにトレアも速める。コルルは一瞬のスキをねらって剣を振った。トレアは目を変え、すばやく剣をよけたあと、コルルの上を飛び越え、剣を首にまわした。そして、すっと下ろすと
「すごいね。私に一瞬でも特殊能力を使わせるなんて」
と言った。コルルは
「一瞬だけ、だろ?」
と言う。にこっと笑うと
「練習に付き合ってあげられるの今日までだから、あとは自分でがんばってね」
と言って、訓練所から出て行った。
*
次の日—
私服を着て、トレアは墓の前に来ていた。石には「リュラン・エテリアル」と彫られている。墓の前に花を置き、目を閉じた。死んだ時の光景がよみがえる。
やっと反乱が鎮まり、トレア達はリュランを探しに行った。しかし、あまりに建物が崩れていて、遺体はみつからなかった。がれきの上で泣き叫び
「絶対に月の騎士を倒す」
と誓った。葬式ではリュランの衣服などを入れた。しかし、トレアは葬式には出ずに、一人部屋に閉じこもっていた。
目を開け、その場を後にした。気付かなかったが、一人の少年がじっとその様子を見ていた。
*
ヴァニアはいそがしそうだった。もうすぐ兵士№1を決める行事が始まるからである。会議室はエントリー人数のチェックや組み合わせの確認などをしていて、ごちゃごちゃしていた。トレアはひょいっと会議室に入り、組み合わせ表を見た。ようやくコルルの名前を見つけ、相手の名前を見た。相手はそこまで強くはなかった。ほっとし、他の組み合わせも見ていく。
「楽しみだなー。決勝戦」
と言い、部屋から出て行こうとした。すると
「トレア、当日に着る服を選んできなさい」
と、ヴァニアが後ろから言ってきた。「分かりました」と返事をすると、出て行った。
*
「何着よっかなー」
クローゼットの中を荒らすトレア。この部屋は服専用の部屋である。しかも、自分の部屋とほぼ同じサイズである。
「うーん。悩むなぁー」
戦闘服、普段着、ドレス、たくさん服があるこの部屋のトレアは五時間も入っていた。
コルルは練習をしていた。すると、同じ年ぐらいの少年が
「相手してもらってもいいですか?」
と話かけてきた。その少年は目が水色で、ちょっと不思議な感じをただよわせていた。少し警戒したが、相手がほしかったところなので、OKした。少年とコルルはしばらく無言で向き合った後、同時にお互いの方に走った。剣がぶつかりあう。トレアと戦った時のことを思い出し、あの時のスピードで少年に向かって剣を振る。互角の戦いが続き、二人はそれからずっと戦っていた。
「大丈夫?」
その声がして、はっとした。目の前にはトレアがいて、自分が寝ていたことに気がついた。起き上がると腕が痛んだ。
「なんで寝てたの?」
と、聞いてきた。コルルは少年と戦ったことを話した。
「ふーん。なかなかの強者だったみたいだね」
話を聞いて、おもしろそうにうなずくトレア。彼は立ちあがると訓練所を出て行った。
少年はパソコンに向かっていた。画面にはコルルの情報がのっている。
「皇女様と親しいなんて、やっぱり貴族なんだろうか…」
と、つぶやきもう一度画面を見た。
「こんなに情報が少ないなんて…」
ぶつぶつ言いながらキーボードを叩く。トレアはその様子をずっと見ていた。そして
「そこでなにをしているんですか?ソマリ・シュレイ」
と言った。ソマリと言う少年はびくっとして振りむいた。一歩一歩近づいて行く。
「コルルのことを調べているのですか?資料室のパソコンをかってに使うのは関心しませんね。彼は最近入ったばかりで情報はすくないんですよ。次、パソコンをかってに使った場合、力づくでここから出します」
そう言って、パソコンの電源を切り、出て行った。ソマリは茫然とした顔で見ていた。
*後書き*
どうも〜^^ ついに百を越しました!!
みなさんのおかげです。ありがとうございました!!
またまた新キャラ登場です。やっと男子キャラきました。コルル君とソマリ君は出会いは最悪だけど、最後には親友にならせるつもりです。トレアちゃんに対する執着心が強すぎるんですよ、ソマリくんは。まあ、「好き」という感情ではないんですよ。 はい。
これからはソマリ君も加わってこの三人をこれから中心に書いていこうと思います。あ、でもあと二人ぐらい中心メンバーに入れたいと思っています。
第十一話、最後まで読んでくださりありがとうございました!!
これからもよろしくおねがいします!!
メゾ