ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 神の能力者 ( No.2 )
日時: 2010/10/24 17:42
名前: メゾ (ID: 8.g3rq.8)

第二話 「一人の能力者」
 
「クロア〜。お弁当いっしょに食べよ〜」
「うん。ミュリいっしょ食べよ」
ミュリとトレアはいっしょに学園の中庭の椅子に座った。
「ねえねえ、クロア。最近月の騎士の話題ないよね」
ミュリが弁当のふたを開けながら言った。「月の騎士」の名前を聞いたとたん、トレアの肩がぴくっと動いた。
「そうだね。ま、それほど平和になったってことじゃない?」
トレアはなるだけ冷静になって答えた。しかし、手は震えていた。
「ねえ、さっきの授業のときさ〜」
トレアは話題を変え、「月の騎士」のことをしゃべらせないようにした。

*

午後の授業も終わり、トレアはスーヴァン帝の前にきていた。ふと目をそらすと、少年が立っていた。顔だちは整っていて、すらりと身長が高い。トレアと同じ年ぐらいで、髪は黒。目はするどい。
「あなた、だれ?」
目を「超」の目に変え、いつでも動けるようにした。その少年は無言でトレアをにらみつける。
「何か用?」
優しく言った。次の瞬間
ゴウッ
少年から火が出た。トレアはすぐに後ずさり、驚いた。
「特殊能力者・・・?!」
少年の目は赤いトレアと同じ目だった。しだいに火は広がり始め、スーヴァン帝のガードマンがやってきた。
「トレア様!!お怪我はありませんか?!」
「私のことは気にしないで!早くあの人を止めて!」
ますます火は広がり始め、他の建物に燃え移り始めた。ガードマンが現れたとき、少年は少しひるみ、目がもとにもどった。
「今だ!!」
ガードマンの一人が叫び、少年もはがいじめにした。少年は少しもがきつつも、特殊能力は使わなかった。その様子をトレアはただ見つめるだけだった。


*後書き*
一日に二回も更新して、自分無理したな〜と思いました。でも、トレアちゃんと、謎の少年の出会うシーンがちゃんと書けたので、良かったです。
第二話、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!
これからもよろしくおねがいします。
               メゾ