ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神の能力者 ( No.20 )
- 日時: 2010/11/09 19:47
- 名前: メゾ (ID: 4mXaqJWJ)
第十三話 「大会」
「コルルー」
トレアは叫ぶ。剣を止め、振りむいた。にこにこしながら歩み寄ってくる。
「あのね、コルルが戦った人、ソマリ・シュレイって言うの。氷の特殊能力者みたい。第一試合みたいだよ」
「ふーん」
てきとうに答えた。するとトレアは顔を近づけ、真剣な顔で
「ふーんじゃないよ!!あなた、一番最後の試合!!勝ち進めば当たるんだよ!!」
と大声で言った。コルルは驚いて剣を落とした。
「わ…分かったよ。一位を1とればいいんだろ?がんばるからさ」
剣を拾いながら言った。「よろしい」とにっこり笑い、「がんばってね」と耳元でささやいた。
トレアが出て行ったのを確認すると、また練習を始めた。
*
大会当日—
フィールドの観客席は多くの人でにぎわっていた。花火の音が鳴り響き、会場内に出場者が戦闘服を着て入ってきた。中にはコルル、ソマリもいる。
トレアは会場内の中心の王族専用の席に座っていた。ヴァニアも隣にいる。
「楽しみだね」
と、ヴァニアが言った。ええ、と答える。開会式が終わり、すぐに第一試合が始まった。ソマリの試合。二人はじっと見ていた。ソマリは見事勝利し、コルルも圧勝で終わった。その後二人は順調にコマを進め、ついに決勝戦で戦うことになった。
「決勝戦、コルル・フェマーレ対ソマリ・シュレイ開始!!」
審判の声で同時に走りだした。剣が激しくぶつかり合い、二人は間合いをとる。その様子をトレアは食い入るように見ていた。
「なかなかすごいね。両方とも」
ヴァニアが言った。
「コルル君は一週間でよくここまできたものだよ。そしてこの異常なコルル君と互角に戦えるソマリ君もすごいな」
トレアはほぼ聞いていなかったが「そうですね」と返事した。会場は静かで、剣のぶつかり合う音だけが響く。五分くらいたっただろうか、ソマリがコルルに話かけてきた。
「君は、皇女様とどういう関係なの?」
「なぜそんなことを知りたがる」
逆に聞き返した、が
「質問しているのは僕だ」
と言い返された。コルルは剣を振る手をゆるめずに
「友達、と言ったところだろう」
と答えた。すぐに
「皇女様と友達?じゃあ君は貴族かなにかなの?そんな高い立場の人がなんでこんな大会に出ているの?」
また質問がきた。あきれ、振るスピードを速めた。
「俺は貴族じゃない。だからこんな大会に出る。今度は俺の番だ。お前はなぜ俺とトレアのことをそんなに知ろうとする」
ソマリは
「皇女様は僕の憧れだった。少しでも近づきたくて兵士になった。僕はもう一年もここにいるのに、皇女様には近づくことはできなかった。なのに君はたった一週間で近づくことができるなんてよほどの理由があると思ったからだ」
と、真剣な顔で言った。この会話をトレアはずっと聞いていた。
先日、ソマリと戦った時、剣に盗聴器をつけていたのだ。トレアもコルルと同様、彼の怪しげな行動を不思議に思っていたので念のため、会話が聞けるようにつけていた。ようやく理由が分かり、「ふーん」とおもわずうなずいた。
*後書き*
どうも!!最近体調をくずしてしまい、書くことができませんでした。すいません。
いや、前にも書いたんですけど、ソマリ君はトレアちゃんのことは「スキ」ではありません。どちらかというと「憧れ」です。 はい。
まあ、いつかみんなの過去編も入れたいと思っております。 いつになるんだろー
いまだに敵キャラ出ていません。これが終わったらそろそろ出したいとおもいます!!
まだ頭痛がするのでここら辺で終わりにしたいと思います。第十三話、最後まで読んでくださりありがとうございました!!
次回はしっかり治して書きたいです。よろしくお願いします!!
メゾ