ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神の能力者 ( No.22 )
- 日時: 2010/11/16 20:26
- 名前: メゾ (ID: 4mXaqJWJ)
第十四話 「炎 対 氷」
また剣の当たる音しか聞こえなくなった。試合時間が十五分になったところでトレアは手を挙げ
「これより三十分の休憩とします。フィールド内の整備をいたしますので、皆様しばらくお待ちください」
と叫んだ。その声は会場内に響き渡り、人々はまたにぎわい始めた。コルルとソマリは剣を下ろしたまま、トレアを見ている。にこっと微笑み、台から飛び降りて、フィールドに入った。ソマリは敬礼をするが、コルルはそのままだった。そんな彼をソマリはにらみつけるようにじろっと見た。
「敬礼とか、堅苦しいことしなくていいよ」
と言われたので、手を下した。するとウィーンと音がし始め、上を見ると、ドーム状の屋根が現れた。
「今から皆さんには秘密で二人には戦ってもらいます。特殊能力は使ってもけっこうです。ただし、相手に傷をつけるときは剣ですること」
ルールを説明され、また二人は向かい合い、戦い始めた。トレアはその様子をじっと眺める。
ピキィィィン
氷の柱がいたる所から現れる。コルルは体にまとった炎で氷をとかし、反撃をする。
「氷は僕の分身と同じだよ。とかしたって何のダメージにもならない」
コルルに向かってソマリは言う。ちらっと見ると
「そうかよ」
と言った。動き回るのをやめ、炎を大きくしていった。氷の刃を炎の方に向けるが、すべてとかされ無意味になっていた。
「仕方ないな…」
そうつぶやくと氷の刃がものすごい勢いでコルルの方に飛んで行った。炎にとかされる…とトレアは思ったが、刃はとかされず、左腕をかすった。
「っ…」
驚き、炎を小さくした。にやっと笑うと
「氷はそんなにもろくないよ。強度を上げれば炎にだってとかされることはない」
と言った。トレアは「ふーん」と小さく笑った。またコルルは炎を薄くまとうようにして、剣で攻撃をし始めた。ソマリは氷の柱を出し、防御だけをしていた。
「君は僕には勝てない」
そう言われ、攻撃をしながら
「どうかな」
とつぶやいた。炎を一点に集中させる。剣に炎が伝わり、「火刀」となった。にっと頬を上げた。氷の柱を消し、持っている「火刀」を見た。
「わぁお」
にこにこしながら歓声を上げたトレア。ソマリはふっと笑うと
「それじゃ僕には勝てない。君の能力は…」
「能力」——その言葉を聞いたとたん、コルルの顔色が変化した。目が大きく見開き、姿が消えた。
「まずい!!」
とっさにトレアは目を変え、ジャンプしてフィールド内に入った。ソマリを押す。その横を影が通りすぎた。
プシャッ
血が飛び散る。トレアの左腕が切れていた。コルルは二人の後ろ側にいた。
「皇女様!!大丈夫ですか?!」
ソマリが駆け寄ってくる。
「ああ、気にしなくていいよ。すぐに治るから」
そう言って、後ろの方を見た。コルルは震え、血のついた剣を見ていた。トレアはくるっと向きなおると
「あなたの負けよ」
と言った。小さく「えっ」と言い、
「あの、自分は…」
「さっきのスピードで突っ込まれて、私が割り込まなかったら、死んでたよ。あなた、さっきのスピードに追いつけるの?」
反論が来たため、逆に聞き返した。ソマリは
「分かりました」
と言い、目をもとにもどした。コルルはまだ震えていた。
*後書き*
どうもどうも!!ただいま頭の痛いメゾです。
若干コルル君の過去に関する言葉を出すことができました。もうすぐで私の『第一章』が終わります。長いですね。小説って書いてみると。 はい。
あ、あと私、『ハッキング』って言葉を書きたいです。かっこよくないですか?『ハッキング』って!!
まあ、こういう変な話はさておいて、次回(?)の予告みたいなものをしたいと思います。
・あとらへんから、私の気に入っている女の子キャラが出てきます。
・トレアちゃんの本気モードがでます。
・ソマリ君が…(以下略)
まあ、次回になるかは分からないんですが、とりあえず書きたかったので書かせていただきました。 すいません。
第十四話、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
次回もよろしくお願いします。
メゾ