ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神の能力者 ( No.25 )
- 日時: 2010/11/20 19:45
- 名前: メゾ (ID: 4mXaqJWJ)
第十七話 「トレアの本気」
三日後—
大会のあったフィールドにトレアとコルルは先に来ていた。ソマリは後から走ってやって来た。
「遅くなって申し訳ございません」
深々と頭を下げた。トレアは苦笑すると
「いいからいいから。早く始めるよ」
と言って上着を脱いだ。剣を持ち、深く息を吸い、ゆっくりはいた。そして、恐ろしいほどの殺気を出し始めた。
(うわっ。これでなめてかかったら間違いなく死ぬぞ)
コルルはそんなことを思いながらソマリの方を見た。
彼も、前と見違えるような剣幕で構えていた。
「じゃぁ、スタート」
いつもと全然違う声で掛け声をかけた。こっちに向かって走ってくる。地面から氷の柱がトレアが立っている位置に出てきた。それをよけると、すぐ上から剣が振り下ろされた。
キインッ
受け止める。今度はトレアが剣を振り始めた。今までに見たことのないスピードだった。
「くっ…」
押されていく。
(負けるぞ。特殊能力を使わないと…)
コルルがそう思った瞬間、
ボゴォッ
十本近く同時に地面から氷の柱が出てきた。すぐによけられたが、攻撃が止まったため、押されることはな
くなった。
「面白い技だね」
いつもとは全く違う声で話しかけた。ソマリは少しよろけ、息を切らしていた。特殊能力を使うと、その能力者は体力を使っただけ消費する。だから、あまり使いすぎると死ぬこともある。同時に十本もの柱を出したため、以上に体力を消費してしまった。その様子を見て、
「終わらせようか」
と言い、トレアは走り出した。
「っ…」
苦しそうに顔を歪めながらも構えた。目の前で高くジャンプし、剣を頭の上に振り上げた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
大声で叫んだ。小さい時の苛めの様子が蘇る。
—嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ————
—終わりたくない————————
バキィィィィィィィィン
氷の柱がいたる所から現れた。トレアはとっさに目を変え、安定している柱に着地した。
「うわっ」
コルルが立っていた所にも柱が現れ、ボッと体に炎をまとい、氷を溶かした。ソマリはしばらくふらついた後、
バタッ
と気を失った。
*
目を覚ますと、自分はベットに寝ていることに気がついた。両脇にはトレアとコルルが立っていた。
「あなたの勝ちだよ。ソマリ」
そう言ってバッチを渡した。それを受け取るとコルルがにっと笑って
「よかったな」
と言った。そして剣を差し出した。コルルが受け取った剣と同じで、「somari」と彫ってある。
「おめでとう」
にっこりとトレアは笑った。
「あ…、ありがとうございます!!」
ソマリは初めてとてもうれしそうな表情を二人に見せた。
*
次の日—
トレアは学校を休んだ。もちろんコルルもいっしょに。二人はソマリの部屋に向かっていた。
「へぇー。あいつも仲間にすんのかよ」
「当たり前でしょ。特殊能力者は何人いたって損することはないんだから」
「ふーん。そうか?」
あやしい顔でトレアの顔をのぞきこむコルル。二人の目的はソマリを仲間にすることだった。
*後書き*
どうも!!最近しもやけ気味のメゾです。やっとトレアちゃんの本気バージョンを書くことができました。
幸せです〜❤^^
でも、まだまだ「神の能力者」はこんなものではございません。血みどろ(?)の戦いがいつも(?)出てくるのです!! (嘘です、いや…案外ホントかも…?)
では、書くことがなくなってきたのでこのくらいに後書きはしておこうと思います。
第十七話、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
次回もよろしくお願い致します^^
メゾ