ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 神の能力者 ( No.26 )
日時: 2010/11/27 18:54
名前: メゾ (ID: 4mXaqJWJ)

第十八話  「仲間」

コンコン
ドアをノックする、が返事はなかった。ドアを開けると、部屋には誰もいなかった。
「あれ…?」
思わず声をもらす。しばらく二人はその場に立ち尽くしていた。どのくらいたっただろうか、コルルが声をだした。
「探しに行こうか」
うなずき、部屋を出て、訓練所、資料室など探してみた。しかし、ソマリはみつからなかった。
「どこいったんだろー」
う〜んと二人は考えこんだ。すると目の前に昨日のトレアの見た少女が現れた。その少女はチラッとこちらを見ると小声で
「フィールド」
と言った。そしてすぐに目線をもどし、前を通りすぎた。顔を見合わせ、とりあえずフィールドに行ってみた。
ソマリはフィールド内を走っていた。息を切らして汗はびっしょりかいている。
「ソーマリー。話があるんだけど〜」
走っているソマリに話しかけた。声が聞こえたとたんピタッと走るのをやめ、また二人のいるほうに走って来た。
「よう。今日はお前にお願いをするために学校休んだんだぞ」
あいさつとともに目的を述べた。ソマリはきょとんとした顔でコルルを見た。
「その通り。お願いは仲間になってほしい、なんだけど…」
「えぇ?!」
「だめ?なら仕方ないなぁ…」
「いっいえ!!皇女様のお役にたてるならもちろん喜んで!!」
「本当?ありがとう」
ソマリの慌てようを見ながらトレアはくすくす笑っていた。コルルもふっと笑っていた。
「じゃぁ、これからは『皇女様』じゃなくて、トレアって呼んでね」
「は…はい!!」
「あと、敬語も禁止」
「え…?」
それから三人は長い間しゃべっていた。ようやく時間に気付いた時にはもう夕方になっていた。
「じゃあな、ソマリ」
「明日、学校に行くからね。遅れないように。じゃ、バイバーイ」
「じゃーなー」
長い間しゃべっていたからか、二人にすっかりうちとけていた。最初は嫌いだったコルルともしゃべることができ、憧れだったトレアに近づくこともできた。帰る間、嬉しさのあまり顔がほころんでいた。

*

朝。ソマリはきっちりと制服を着ていた。高校に通うのは初めてだったので、少し緊張していた。大きく深呼吸をし、かばんを持った。勢いよくドアを開ける。
「おせぇよ」
ドアの前にはコルルが立っていた。隣にはトレアも立っている。
「おはよう。ソマリ」
「お…おはよう。ト…トレア」
がちがちなあいさつをかわす。あはは、と笑った。
「早く行くぞ。遅れる」
コルルはそう言い、先に歩きだした。
「行こ」
にっこり笑ってトレアもコルルの方に走って行った。ソマリも
「待てよ」
と言って、二人の方に走って行った。




*後書き*
ひっさしぶりに書きました。色々忙しくて…
さあ、皆さん気になっているでしょう「あの少女」!!(あ…気になってない?)
まあ、ネタばれなんですが、あの子は特に重要な位置にいずれ立ちます。名前はナ○○ーです。次次回ぐらいにどんな子かわかりますんで。ぜひ読んでください。
またしばらく書けないかもしれません。ですが、がんばりますんで次回もどうぞよろしくお願いします!!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。              メゾ