ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 神の能力者 ( No.29 )
日時: 2010/12/06 21:46
名前: メゾ (ID: 4mXaqJWJ)

第二十一話  「視線」

「おもしろいことになりそうだ」
暗い部屋の中に一人でいる青年。目の前にはモニターやパソコンがある。プラチナブロンドの髪が彼の目を隠している。見えるのは口元だけだった。彼はパソコンを叩いた。
「トレア。君はもうすぐ学校に行けなくなるよ。楽しみだね」
モニターのすべてがトレアの映像に切り替わった。
「あははははははは」
画面を触り、彼は大声で笑い始めた。
「君は僕にとって一番の邪魔者なんだよ」
彼——月の騎士はにやっと笑った。そしてブツッと電源を切った。マントを持つと、
「学園が血の海に染まるだろう」
と言って暗闇の中に消えた。

*

「ん…?!」
ふと視線を感じたトレアは後ろを振り返った。
「どした?」
ミュリが声をかける。二人は中庭を歩いていた。うーんと考え込むと
「気のせいかな…?誰かに見られていたような…?」
「気のせいじゃないよ。だってトレア可愛いから好きな人が見てたんだよ」
「そう…?」
真剣な顔で答えたが
(あれは人の視線じゃない。たぶんカメラとかで見られてた…)
ミュリはそんなトレアを見ながら
(変なの…?最近おかしなことばっかりしてる…)
と考えていた。

*

「おい、どうすんだよ」
コルルはイラッとした声で言った。
「そ…そんなこと言われたって…」
おどおどしながら答える。シーンと二人の間に静寂が流れる。
「帰る」
くるっときびすを返し、背を向けた。
「おれは謝った。後はお前次第だ」
「う…」
しょぼんとした顔でソマリも逆方向に向かって行った。
「なあ、お前さ」
後ろから声が聞こえた。びくっとして振りかえる。コルルは背中を向けたまま
「お前の言ったこと…。まんざら嘘じゃないかもしれねえよ」
と言った。そして右手を挙げ、「じゃーな」というように振った。



*後書き*
すいません。なんか短いですね。ちょっと今日は書く暇がなかったもので。
やっと月の騎士君が登場してくれました。今まで出てこなかったのが不思議なんですが。^^
さてさて、気になる「血の海」なんですが、大量虐殺なんかじゃないので安心してください^^
というかそもそも私、すんごいグロテスクなものを書くほどの実力を有しておりませんのでご安心を。
ではでは、眠くなってきたので今回はこの辺にしておきたいと思います。
第二十一話、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
次回もよろしくお願いします!!
               メゾ