ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神の能力者 ( No.31 )
- 日時: 2010/12/08 20:02
- 名前: メゾ (ID: 4mXaqJWJ)
第二十三話 「妖しい風」
「なんで何もないの?」
パソコンに映っているいるのは写真、年齢、性別、功歴だけだった。三人はぽかんとした顔で画面を見つめる。
「どうして?」
また叩き始める。コルルははっとした顔で
「そうだ。彼女は『天才』。たぶん、自分の過去を消したんだ。
「『天才』?」
ぴたっと手を止め、写真をもう一度見る。しばらくし、ようやく気付いた。
「あの子、ハッキングしたんだ…」
顔が真っ青に変わる。ガタンと席を立ち、
「ねえ、昼間二人がいた所に案内して」
と低く小さい声で言った。ソマリはその様子を見て、背中に寒気が走った。
*
「あ。トレア様」
メニィが掃除をするのをやめ、三人の方を見た。
「ナタリーはいる?」
トレアは淡々とした声で言った。メニィは
「すっすみません。ただいま外出しておりまして…」
あたふたと答えると、
「そう」
と言い、昼間台の上にあったケージのドアを開けた。すると中から羽の生えた白い馬——と言ってもかなり小さいものが出てきた。
「よーしよし。久しぶり」
生き物をなでながらさっきとは全然違う声で話しかけた。コルルとソマリは不思議そうにその様子を見つめる。
「あー。レベッカ。自己紹介して」
二人の方に気付いたトレアはその生き物に言った。すると
『はじめまして。僕、レベッカ。あなたたちはだあれ?』
幼い声が聞こえてきた。翼の生えた白馬は二人の方に近づいてきた。メニィとトレアは何でもないように彼らの方を見ている。
「あ…。えっと、ソマリ・シュレイです。で…あの…こっちがコルル・フェマーレ」
『よろしくね』
白馬はふわふわしながら言った。メニィが
「トレア様。そろそろ…」
「うん」
返事をしてからレベッカを優しく手で包む。そして、ケージに戻した。くるっと向きを変え、
「帰ろっか」
と言い、戻って行った。
*
朝。四人は学園に向かっていた。ソマリは大あくびをし、
「眠い。眠りたい。帰りたい」
と言った。コルルはうつらうつらする彼を支えた。ミュリはふふっと笑って
「まあ、がんばろがんばろ」
トレアはにっこり笑う彼女を横目で見て
(言わなくていいのかな…。私が皇女だってこと…)
というようなことをずっと考えていた。
「…ロア。……ア!クロア!!」
大声が聞こえ、ようやく我に返った。そして、自分は信号無視をしていることに気付いた。
「大丈夫?気分でも悪いの?」
ミュリが声をかける。
「大丈夫。考え事してただけだよ」
「そう?」
と言い、四人はまた歩き始めた。
昼休み。ミュリを除く三人はぶらぶら学園内を歩いていた。エジュネリート学園は中高一貫で、中等部と高等部がつながっている。トレアは中等部からの持ちあがりだった。
「なあ、どこまでが中等部なんだ?」
コルルが聞いた。ソマリもそういえば!というような顔をした。
「教えたげるよ」
と言い、方向を変え、歩き始めた。しばらくすると、トレアはぴたっと足を止めた。
「どうした?」
声をかけ、顔を覗き込む。すると、目を特殊能力に変え、近くの校舎にタン、と飛び移った。
「おい!!」
二人の言葉を無視し、一人で屋上に行った。コルルもソマリもトレアの飛び移った校舎内の階段を上る。
*後書き*
どうもどうも〜(^^) ついにこれからの山場がやってきます!!実はですね、私キャラクターに好きな順をつけているんですよ。ちょっと書いてみていいでしょうか?
【第一位】 トレアちゃん
(もちろん主人公が一番です!!)
【第二位】 ナタリーちゃん
(あの無口なところが好きです)
【第三位】 コルル君
(性格が好きです)
【第四位】 ユオちゃん
(不思議な感じが個人的に好きです)
とまあ、こんな感じです。くだらないんですが、みてくださった皆様、ありがとうございます。
私がつくったキャラなんですが、どうしても好き嫌いが出てしまうんですよね(。。)
少しいつもよりか長くなってしまいました。すいません。これからは気をつけます。
第二十二話、最後まで読んでくださり、ありがとうがざいました。
メゾ