ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神の能力者 ( No.34 )
- 日時: 2010/12/10 21:32
- 名前: メゾ (ID: 4mXaqJWJ)
第二十五話 「始まり」
スーヴァン帝。コルルの部屋。三人はジュースを飲みながら色々しゃべっていた。
「なあ、なんであの子が『無』の特殊能力者だって分かったんだ?」
会話の中で言った。トレアはああ、と頷き、
「うーん。それには触れてほしくなかったんだけど…。まあ、これは昼間言った『真資料室』に関わるんだよ。あの資料室は王族しか知ることができないから、教えることはできないよ」
「ふーん」
興味を失ったように曖昧に頷く。
「でも、一つだけ言えるのは、私がその資料室に行って情報を得たから分かったってこと」
そこでいったん会話はとぎれた。
ソマリが空気を読んでまた会話を切りだした。内容はおもしろかったが、皆、心から笑ってはいなかった。
*
学園に入って行く三人。いつものように教室に入るが、ミュリの姿がなかった。
「休みかな?珍しい」
一時間目。隣にいない友達のことをずっと考えていた。すると、
パリーン
と、窓ガラスが割れた。ザワッと教室内がざわめく。
(なんだろ…?)
そして、ドアがガラっと開き、黒い服を全身に着た人が入ってきた。手には銃が握られている。悲鳴が上がった。
(テロすか…。キツ…。どうしようかなぁ…)
迷っていると、みんなドアから離れようと窓際の方へ押し寄せてきた。トレアは押しつぶされる。
(そうだ…!!)
割れた窓ガラスを開け、そこから身を投げた。クラスの皆が、コルルとソマリさえ驚いた。そんな様子をみて、黒服の人物は
「ここは四階だ。無事ではいられまい」
と言った。ザザザーと木の葉がざわめく。
「ふあー」
すたっと地面に着地した。目は特殊能力である。
「さて」
にやっと口元がゆるむ。これはトレアのもう一つの人格というべきか。戦闘になると、少し人格が変わるのである。上着のボタンを外し、中から銃を四つ出した。弾の替えもたくさん出てくる。そして高くジャンプし、中等部の校舎に飛び移った。
(ナタリーに協力してもらうか…)
携帯で電話をかける。つながった。
「ナタリー。私だけど…。中等部の方、何か異常ある?」
『…………ない』
(なるほど…。中等部は襲ってないのか…)
「んじゃ。ちょっと協力してもらえる?」
『……………』
トレアは作戦を話した。言い終わる頃にはナタリーはもうこちらの方に来ていた。
*
「仕方ないな…」
ソマリは軍人のバッチを胸に付け、スキをうかがうと黒服の人物を思いっきり殴った。黒服はふっとび、気絶した。
「おーい。ソマリくーん……」
コルルははあ、とため息をついた。仕方ないとばかりに彼もバッチをつける。クラス内におおっと歓声が上がった。すると、コルルの携帯が鳴った。
「ト…。クロアからだ」
ピッとボタンを押し、「もしもし」と言う。
『大丈夫?携帯に出れるということは、軍人って名乗ったようだね』
くっ…。するどい…。と心の中で思う。
『テロリストを倒す計画を立てる。一階の事務室前に来て』
「分かった」
ソマリに目配せし、二人は二階に下りて行った。
*後書き*
はい、すんごくすんごく進みました。
この小説を見てくれている親友にランキングを見られ、「なんでミュリちゃんが最後ら辺なんだよ」と怒られました。
いや、実際嫌いではないのです。それだけは間違いありません。ですが、後半ら辺のミュリちゃんは少し苦手で…。 はい…。
他の友達にも「カタカナが多い」とか、「多すぎて読みにくい」とか、すんごく文句を言われるのですが、がんばって書いて行こうと思います。どうぞよろしく…(。・・。)
第二十五話、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!
メゾ