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Re: 神の能力者 ( No.38 )
日時: 2010/12/13 10:51
名前: メゾ (ID: oBSlWdE9)

第二十六話  「作戦」

「よく見ておいてね」
月の騎士はミュリに言った。ミュリは学園の様子を見て、
「なんでこんなことをするの?!」
と、叫んだ。彼はにやっと笑い、
「君の親友について教えてあげようと思ったからだよ」
そして、ミュリの顎をつかむ。目を特殊能力に変えた。月の騎士は「操」の特殊能力者である。今までの反乱だって、一般人に「操」の力を使い、操っていた。
しかし、彼は力を使おうとはしなかった。ぱっと顎から手を放し、今度は手を握った。
「!!」
驚くミュリを引っ張り、学園の中に入った。彼の口元は不気味に緩んでいた。
高等部屋上に人影。その人影はずっと二人のやり取りを聞いていた。
「ふーん。また一般人に手を出すかあ」
トレアそっくりの声。座り込み、
「ま、人数で帝国に勝とうなんて考えることが恐ろしいね」
と言った。サァァァァァと風が吹く。前髪が揺れ、目があらわになる。
ユオの目は特殊能力だった—————。

*

コルルとソマリも合流し、作戦を話した。銃を渡し、替え弾も渡す。
「じゃ、さっそく行こうか」
四人はそれぞれ別の方向に走って行った。
ナタリーは二階の教室へ、ソマリは三階へ、コルルは別の棟に向かって走って行った。
コルル、ソマリ、ナタリーは各教室を回っていき、テロリストを気絶させては生徒、教師を安全な場所に移動させた。教師の中には、
「お…お前、軍人だったのか?」
と、馬鹿な台詞を吐く奴もいた。今はそれどころじゃないだろ、と心の中で舌打ちしつつも、作戦通りに動いた。
トレアは放送室に入る。そして、いつもより少し声のトーンを落とし、言った。
『皆さん、こんにちは。エテリアル帝国第三皇女、トレア・エテリアルです』
この言葉を聞いた途端、学園内は大きくざわめいた。
「皇女様がこの学園に?」「あの美女と有名なトレア様?」など、会いに行こうとする人物も現れたが、ナタリーが
「…………行ったら打つ」
と脅し、無理やり移動させた。しばらく間をおいて、
『今日はここにテロリストが現れたと聞き、私が直接来ました』
『今回の作戦には、この学園に通っている軍人の三人に参加してもらいました』
学園内にいるすべての人に話す。時間を取るため、しばらく話を続けた。すると、
ピリリリリ
携帯が鳴った。マイクの電源を切り、携帯を取る。
「もしもし」
〈全員移動させたぞ〉
キレ気味のコルル。トレアはあは、と笑い
「御苦労さま。じゃあ、次の作戦に移ってもらえる?」
〈オッケ〉
ピッと二人一緒に切った。コルルはすぐにメールをソマリとナタリーにまわした。三人は次の作戦に移る。
トレアは放送室の椅子に座り、何やら紙に書き始めた。室内にはカリカリというペンの動く音しか聞こえない。
ようやく書く音が止まった。ドンっとトレアはペンを置いた。
            ・・・・
「やってくれるじゃない。ペルソナ」



*後書き*
最後がメッチャ謎めいた一言になりました。あまり気にしないでください。後から分かるんで。
今日、ヒマなんですよ。だから、もう一回ぐらい更新しようかなーと思ってます。
遅れましたが、二百を超えましたー★
ありがとうございますー(^^)
次回もどうか、よろしくお願いします。
              メゾ