ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神の能力者 ( No.40 )
- 日時: 2010/12/15 21:38
- 名前: メゾ (ID: e.VqsKX6)
第二十八話 「親友の裏切り」
「悪いな。ナタリー」
二人でテロリストを縛っていく。ナタリーは顔色一つ変えない。ようやく終わった。コルルはメールを打つ。
『作戦完了 別棟すべて捕獲』
すぐに返信が来た。内容は
『放送室に集合』
だった。二人は階段を下り始めた。一階につき、向かおうとすると、
「待って」
と、呼びとめられた。コルルとナタリーは振り返る。
「へえ。あなた達が『炎』と『無』の特殊能力者か」
ユオが二人をまじまじと見ながら言った。
「トレア?なぜここに?」
コルルの言葉を無視し、彼女は続ける。
「久しぶり。ナタリー」
ナタリーはずっと睨みつけている。あいつか…。この前隣に来たのは…。その考えていることを読みとったかのように
「そうだよ。気持ちよかったね。あの場所」
と言った。コルルは銃を向ける。
「お前はトレアじゃないな。テロリストか?」
ふっと彼女は笑った。すると、ぶわっと風が吹き、姿が消えた。
「な…」
驚きを隠せないでいると、ユオは階段に座っていた。
「だめだよ。私は死なないんだから」
と、笑いながら。そして、
「トレアによろしくね」
と言い残し、ふわっと消えた。
*
「さぁて。これからどうするか…」
ペンをくるくる回しながらほおずえをついていた。トレアは全員ここに集合とメールを回し、テロリストの親を捕まえようとしていた。
ミュリは月の騎士に手をひかれ、放送室の前に来ていた。
(なにするの?皇女様を殺すの?やだよ。そんなの…)
ぐっと目をつむる。皇女様に直接会ったことはなかったが、人が死ぬのは嫌だと思っていた。
月の騎士は静かにドアを開けた。キィ、と小さな音がする。
中には金髪の少女がいた。後ろ姿は
「クロア!!……」
ピタッと空気が止まった。トレアは振り返ったまま、動かない。
「皇女…様…?」
顔、髪形、制服は間違いなく自分の親友であるクロア。しかし、目が違っていた。いつものトレアならきれいな青色だった。でも、今は黄色で、変な形が中にある。テレビで見たことのある顔だった。
「ペルソナ……!!」
きれいな顔が、怒りで歪む。月の騎士は
「その呼び方はやめろ。オリビア」
と、勝ち誇ったように笑った。ミュリは混乱している。自分のいつも隣にいた親友が皇女?しかも、なんでそれを教えてくれなかったのか。もしかして自分は
そう思っていただけ?——————
自分の隣に庶民を置いて、心の中で嘲笑っていた?——————
ひどい——————
親友だと思っていたのに——————
こみ上げる感情。涙が出そうだった——。
*後書き*
書けるようなふいんきじゃないので、短く終わらせたいと思います。
ミュリちゃんが最後中心でした。次回はこの続きとなります。読んでいただけると幸いです。
第二十八話、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
メゾ