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Re: 神の能力者 ( No.47 )
日時: 2010/12/27 13:03
名前: メゾ (ID: Btri0/Fl)

第三十四話  「貴族」 続編

全員がその写真を食い入るように見る。
「ティナ・キヒステン…?」
英語で名前が表示される。
「なに?これ?」
トレアが聞くと、ナタリーはその画面から目をそらし、カシャッと携帯のカメラ機能を使った。そして小さく
「この書き込みの主。高級貴族の女の子」
と言った。コルルとソマリはそれで?という顔をしたが、一人だけ違った。
「まずい…」
青ざめた顔でつぶやく。高級貴族は、色々な集まりなどに参加し、かなり皇女の顔を見ている。テレビではあまり顔は写されないが、貴族は生で見ているため、正体がばれやすい。
ようやくそのことに二人も気付き、「あっ」という顔をする。ソマリはうーんとしばらく考え込み、
「なあ、いっそのこと、学園全体にばらしたらどう…ぐはっ」
言った途端、すぐにコルルに腹を殴られた。うめき、腹を抑える。殴った本人は、すごい剣幕で睨みつけている。
「あのね。ばらすと、周りの皆が変わるの。『今まで通りに接してください』って言っても、絶対に道を開いたり、『トレア様』って言うようになる。それが嫌だから、今までずっと、ミュリにさえも言わなかったの」
少し悲しそうに目を伏せる。ソマリはすぐに謝った。
「ご…。ごめん…」
トレアは首を横に振り、いいの、と言った。それからは皆、これからどうするかずっと考えてきた。ふと、コルルが口を開いた。
「あのさ、こっちからあの人だけに打ち明ければ、ばらされずにすむんじゃないか?」
ばっとみんなが彼の方を見た。ナタリーは見なかったが。
それから色々そのことについて話をしていた。すると、全然話に入ってこなかったナタリーが突然口を開いた。
「今日、高級貴族は他の国に行ってる」
「え…」
ぴたっと三人の動きが止まった。彼女はもう興味を失ったらしく、また携帯をいじりだした。すると、トレアがバン、と机を叩いた。
「よし。ま、とりあえず相手は私のことを知らないということの方が大きいと思うから、打ち明けずに普通に接するね」
決まり、と言わんばかりにみんなの顔を見回した。
そして、この話が終わり、今日は解散した。



*後書き*
長かったですね。まさかこの回がここまで続くとは思っていませんでした。
話は変わりますが、クリスマスが終わりましたね。私は「ペンタブ」というプレゼントをサンタさんからもらいました。嬉しかったです。
またまた話が変わりますが、私、今、怪我をしているんです。玄関のドアの端っこで「ザクッ」と足を。
お陰で全然歩けないし、大量出血はするわで大変でした。皆さんも、こんなことのないよう、気を付けてください。(私のように、ドジではありませんから大丈夫ですよね)^^
さて、今回はここまでにしておきたいと思います。
ありがとうございました。
                 メゾ