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Re: 神の能力者 ( No.49 )
日時: 2010/12/28 14:25
名前: メゾ (ID: Xr//JkA7)

第三十七話  「ティナ」

次の日。エジュネリート学園。HRの時間。
「ティナ・キヒステンです。本日からお世話になります」
みんなの前で自己紹介をする少女。昨日見た、貴族の女の子である。
彼女の目は黒。髪は水色で長い。身長はトレアと同じぐらいで、明るく、利発そうな感じだった。
「えー。じゃあ、席についてくれ。どこでも空いている席でいいから」
担任がそういうと、彼女はにっこり笑い、歩きだした。
「ナタリーの情報は嘘じゃなかったな」
コルルがトレアにひそっと言った。が、トレアの耳には届いておらず、見ると、冷や汗をたくさんかいていた。
気付かれてませんように———。
ぎゅ、と太ももの上で拳をつくる。心臓がバクバクして、破裂しそうになる。
ティナがトレアの横で止まった。コルルとソマリの目が、大きく開く。
「よろしくね。皇女さん」
耳元で、こそっと言われた。バックン、と心臓が大きく鳴り、目がこれでもかというぐらいに大きく開いた。
バレてる—————
「隣、いいですか?」
今度は大きな声で言った。トレアはなるべく冷静に、
「ええ。どうぞ。今日からよろしくお願いしますね」
と言った。冷汗はもう止まらなくなっていた。

*

HRが終わり、三人はティナを屋上に呼び出した。
「あなたは私の正体を知っているのね」
トレアは物凄い剣幕で言った。ティナは平然とし、
「はい。エテリアル帝国第三皇女、トレア・エテリアル様。左が軍人のコルル・フェマーレさん。右が同じく軍人のソマリ・シュレイさん」
三人のことを言った。コルルはそれを聞き、
消すか。俺たちのことはいいとしても、トレアのことを知られると色々厄介だ。
いつも持ち歩いている護身用の銃に手をかける。そのことに気付き、トレアはコルルの前に手を出した。
「バラす?それとも学園の様子を全世界に流す?」
そう言うと、ティナは一瞬は?という顔をし、
「そんなことしません。ただ、お友達になっていただければいいなって…」
と、少しほおを赤らめながら言った。それを聞いたトレアは
「友達?」
と聞いた。こっくり、と彼女は頷く。風が吹き、サァ、と水色の髪がなびいた。

「殺しちゃえば?」
気付かないうちに、ティナの背後に銃を持った女がいた。女は銃を彼女の頭に付きつけ、にやっと笑った。
「な…。なにすんの?!」
トレアは叫ぶと、目を変え、身構えた。コルルもソマリも目を変える。ティナはおびえた表情で助けてと目で訴えている。冷汗が流れる。
「へえ。殺さないで、か…。なかなか考えることは優しいね。クロアさん」
「私は魔鬼。死怨の仲間って言っていいかな?」
三人に緊張がはしる。ゴクッと唾を呑んだ。
「死怨…?」
かすれ声で聞くと、魔鬼はペロッと舌で唇をなめ、言った。
「本名はミュリ…。だったかな?」
言い終わる前にトレアは走っていた。ダンッ、とジャンプし、ポケットからナイフを取り出す。
「やめろ!!トレア!!」
コルルが叫ぶ。魔鬼はティナの首をつかみ、自分の方に引き寄せた。こめかみに銃をつける。悲鳴があがった。

パキッ   ピキィィィィィィィンッ

ティナと魔鬼のほんのかすかな間から、氷の柱が出てきた。振り返ると、ソマリが両手を床に付き、しゃがんでいた。
「よしっ!成功ぉぉ!!」
大声でそう言った後、ばっと顔を上げた。
ティナはすきを突いて逃げ、魔鬼は腕をきったらしく、血が流れている。カシャンと銃を落とした。





*後書き*
はい。少し中途半端です。すいません。
キーボードを押す気力がなくなりました。肩が痛いです。
咳がひどくなってきました。今回は後書きをすごく短くしときたいと思います。ありがとうございました。
                    メゾ