ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 神の能力者 ( No.50 )
- 日時: 2011/01/17 13:25
- 名前: メゾ (ID: Dbh764Xm)
第三十八話 「恐怖」
トレアはその銃を離れた所に蹴り、魔鬼を押し倒した。ナイフを首に真っ直ぐに向ける。馬乗りになった状態で、
「ミュリの居場所はどこだ?答えないと刺す」
と、低く、強く言った。そう言われた彼女は、逃げるために「読もう」とした。少し目が光る。
「読んだ」瞬間、彼女の頭の中は恐怖で染まった。
会いたい 会いたい 会いたい 会いたい 会いたい
殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す
助けたい 助けたい 助けたい 助けたい 助けたい
殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す
謝りたい 謝りたい 謝りたい 謝りたい 謝りたい
殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す 殺す
こんなことを———。
考えている———。
何も言えず、ただ茫然としていると、トレアの目がますます険しくなった。
「死ぬ?」
ああ。恐ろしい。どうしようもないじゃない。死にたくないのになあ。
ふっと笑い、目を閉じた瞬間、
パキッ
自分の首に突き出されていたナイフが折れた。そして、トレアの方に向かって銃弾が飛んで言った。彼女はすぐによけ、コルル達の方に引き下がった。
起き上がると、前には
「ミュリ———」
スーツ姿の少女が立っていた。右手には銃。左手には剣が握られている。
「久しぶり。大嫌いな人」
表情を変えずに淡々と言う。両目とも藍色かと思い、見てみたが、違った。
「助かったわ。死怨」
立ち上がり、服をパンパンとはたく。トレアはギッとこちらを睨んだまま、護身用の銃を取りだした。
「まあ。そこまでにしておこう。今回は彼女を殺しに来たわけじゃないし」
屋上にこの声が響き渡った。銃を握ったまま、声のする方に目線を向ける。コルルとソマリはティナをかばうように前に出た。
声の主は優雅に腰かけ、ほおづえをついていた。死怨と魔鬼は声の主の方に歩み寄った。
「貴様…。次学園に来たら殺すぞ」
恐ろしい殺気を出しながらにらみつけた。そして、ヒュッと姿を消した。
「?!」
何が起こったのか分からなかった。辺りを見回すと、トレアは月の騎士の前に立っていた。
それに気付いた死怨がすぐに付き飛ばそうとしたが、
ゴッ
みぞおちに一発、拳をくらい、気絶した。トレアは次にきれいに回転し、魔鬼に蹴りをくらわせた。腰にあたり、顔を歪ませながら
「うぅっ」
地面に倒れた。月の騎士は黙ってそれを見たまま、トレアの方に目線を向けた。彼女は銃を突きつけ、
「また同じようなことをしたら…。お前が生きていたという記録まで消してやる」
ありえない目つきで言った。コルル、ソマリはゾクッと寒気が走った。
そう言われた彼は、ニイィと笑い、
「君は強い。だから邪魔だ。いずれ君は自分で死を望むようになる」
と、笑いをこらえるように言った。そして、指をパチンと鳴らし、
「また会おう。オリビア」
立ち上がった。指が鳴った瞬間、死怨がガバッと起き上がり、襲いかかった。すぐによけられたが、目を離したすきに、月の騎士はもういなくなっていた。
「逃げられたか…」
チッと舌打ちし、死怨の攻撃をよけながらつぶやいた。しばらくすると、魔鬼の姿はなく、攻撃していた彼女も屋上から飛び降り、姿を消した。
ようやく落ち着き、トレアはティナに手を差し出した。
「悪い。まき込んだようだ。お前にはすべて話す」
ビクッと彼女は体を震わせたが、すぐに
「分かりました。教えてください」
と返事をした。
*後書き*
はい〜。 あけましておめでとうございま〜す!!
すみません、おそいですね。
とても最初とは思えないような話になりました。少しドロドロにしたかったもので。はい。
途中で物凄く同じ言葉を打ちまくって、疲れました。
あ、ティナちゃんは、決して特殊能力者ではありません。もうすぐ新しい能力者がでてきます。お楽しみに!!
久しぶりにパソコン触ったので、疲れました。ここら辺にしておきたいと思います。
ありがとうございました。
メゾ