PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 非道で純粋な恋 ( No.11 )
- 日時: 2010/10/31 21:23
- 名前: 浅葱 ◆jnintUZIrM (ID: m26sMeyj)
- 参照: http://PCが変わったので名前も変えてみました← 十六夜です
01
「おはよ、真理ちゃん」
朝。いつもと何一つ変わらない怖いくらい平凡な朝、私、安川真理と雨代陶華は学校へと登校中だった。
学校が少し遠いのと朝は早く起きれるのがあって登校する時間はかなり早く11月の寒さを感じている。
吐く息こそ白くはないが寒さに手が悴んでいた。
「おはよう、陶華」
私は陶華ににっこり微笑んで一緒に登校を始める。会話は尽きる事など無く、かなり楽しい。
……あの日何かとは、とても比べ物にならないほど。
とても楽しく平凡で何処にでもある風景だった。
そして陶華の家から駅までの間ずっと話し続けていた。
さらに暫く歩くと、すぐに駅へと着いた。切符を買う陶華をよそにさっさと切符を改札口に入れてポケットへ仕舞う。
後ろを振り返ると陶華はすぐに追いついて来た。
ふと時刻表を見ると日付に《11月13日》と書かれてあり、私達が乗るべき電車の時間が書いてある。
……いや、実際時間は(良くないけれど)どうでも良かった。そう、日付が今の私にかなり重要だった。
「11月13日、か…………」
私は陶華に聞こえない様にぼそりと呟いて階段を上る。そう、もうあの日から早くも2年経ったのだ。
今でも鮮明に思い出せるあの記憶も、もはや2年前の話になってしまったのだ。
……時の流れは速いなぁ。私は心の中で溜息を着きつつ陶華の話を聞いていた。
だけど心は上の空と言うか別の事を考えている。
何の事かと言うのは、まだ余り詳しくは言えない。
言いたくないじゃなくて、言えない。何かが私の口を塞ぐかの様に言えない事なのだ。
けれど、それでも言える事はある。
私はこの事件で妹を失った。
そして心を限りなく傷つけたのだ。
PR