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Re: 逃げきれぶち殺せ生き残れ!宗教団体あいのうた教オリキャラ募集 ( No.10 )
日時: 2010/10/28 18:22
名前: 金平糖  ◆dv3C2P69LE (ID: jM89U6Tv)

第庭!

「離して下さい!お願いしますやめてください!」
 森の中に、髭の生えた男が、黒いセーラー服を着た美少女の腕を引っ張りながら入る。綺麗な顔をした少女は、ポロポロと涙を流して、懇願しながら必死に振り解こうとするが、男の力は強く到底敵わない。
「いずれ殺されるんだ、それなら好きなことをやらなくちゃなぁ」
 下卑た笑い声を上げながら、男は少女の小さな膨らみを乱暴に鷲掴む。
「ひぃっ……!」
 ガタガタと震えながら、恐怖で少女は声も出せなくなる。男の手が少女のスカートの中に入る。少女の真っ白な太股を撫でながら、その手はパンツに近づく……。
「いい加減にしろ」
 突然、後ろから声がし、男の手が止まる。
「何だおめぇは……」
 男は少女から手を離して後ろを見る。後ろには少女とそこまで年の変わらない青年が立っていた。そのまま地面に崩れ落ちた少女は、小さく震えながら青年を見つめる。
「なんだ、ガキじゃねぇか。ほっといてくれよ」
 男は青年から視線を外し、少女のスカートを掴む。
「いい加減にしろと言っている」
 青年はポケットからサバイバルナイフを取り出し、刃を男の首筋に当てる。
「!?」
「この場から消え失せろ、言う事を聞かないなら今殺す」
 暗闇の様に真っ黒な青年の目からは、感情が感じられない。男は顔を真っ青にし「わかった!わかったよぅ!!」と言いながら、みっともない走り方でその場から逃げ出して行った。
 青年は地面に座り込んでいる少女を見る。引き篭もりがちなのが分かる真っ白な肌と、長い前髪、年相応の物を感じられない、耳の下で二つに結んだ髪から、少女が大人しい子だとすぐに分かった。
「あ、あり、ありがとうございます……」
 震える声で、少女はお礼を言って立ち上がる。
「お前、名前は?」
「えっ、あっ、」
 突然、名前を聞かれて、少女は焦りながらも名前を言う。
「秋沢……です」
「……秋沢、下の名前は?」
「和歌子です」
 青年は目を少しだけ見開いた後、すぐに表情を戻して、右手を差し出しながら、
「俺は不知火鷹(シラヌイヨウ)だ。よろしく頼む」
 和歌子は差し出された右手と不知火の顔を交互に見ながら、恐る恐る自分も右手を出し、弱い力で二人は握手をした。
「秋沢和歌子、お前は俺が責任を持って安心院信愛(アジムシンアイ)の所へ連れて行く」
「えっ……?」
「お前は俺が最後まで守り抜いてやる」
「……!!」
 顔を真っ赤に高潮させ、和歌子は俯く。
 そんな様子を気にせず、不知火は携帯電話を取り出し、ある人間にメールを送った。
『あいのうた教幹部、愛沢歌彦の娘に遭遇した。独断で一緒に行動をとることにする』