ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 血まみれ人形ごっこ(オリキャラ募集中!) ( No.11 )
- 日時: 2010/10/29 22:26
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: OPVNjM8g)
壱ノ章「残酷人形劇」
「ちわーっす。いますかー?」
ほぼ毎日のように、怪しげな館に宅配便にくる、大樹院 崇志。
蒼白くて細い、幽霊みたいな腕が荷物を受け取るのにももう慣れた。
「貴方が毎日モノを届けてくれるのね」
「うわっ!」
後ろを振り向けば、今まで気配一つ感じられなかった女の姿。
「毎日来てくれるお礼。気晴らしに人形劇と美味しい紅茶をどうぞ」
「いや、俺、配達の途中……」
「そんなもの、ほっとけばいいじゃない」
有無を言わさず決定権を持つ、妖艶な声。
真夏でも蒼白くて冷たい手に掴まれ、俺は渋々屋敷に入る。
「うわっ……!!」
まず目に入ってきたのは、階段に転がっている手足がなく、胴体だけの人間。
「人間じゃない、人形よ。殺人犯なんて思わないでね」
「人形に血は……!」
俺の心の内を読んだかのように、とっさに切りだされた言葉。
「私が造った人形には、血も涙も、心も感情も宿るわ」
妖艶な真紅の瞳を細めて云う。その一瞬、時が止まった気がした。
「さあさ、可愛い私の人形。私の思う通りに殺し合いなさい」
パンパンッと手の平を2回たたくと、待っていたかのように4体の人形が現れる。
1体の人形は手に縄を持ち、また別の1体は刃物を持っている。
残った2体は双子のようで、お互いに鉈を持っていた。
手に縄を持った人形が、刃物を持った人形の首を絞める。刃物を持った人形は抵抗できずに殺された。
が、後ろから鉈を持った1体が近づいて、縄を持った人形の心臓の辺りを一突きにする。
縄を持った人形が、刃物を持った人形の上に倒れる。
「うぇっ……」
目をそらしたところ、幼い女の子のような声が聞こえた。
「あーあぁ。もう にげられないよ」
「えっ……?」
思わず聞き返したとき
「目を逸らさないで。お楽しみはまだまだよ?」
ほぼ互角に渡り合ってきた双子は、互いに心臓を一突きにされて倒れた。