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四ノ章「愛すべき壊れモノ」

「かわいい! これが私の妹ですぅ!」
妹の存在を純粋に喜ぶ毒舌人形。
「貴方が姉さん……? よろしくね」
「名前は何と言うのです?」
「僕は少女。姉さんは?」
「乙女です! ご主人様、可愛い妹をありがとうです!」
「いいのよ。さあ、他の人形と遊んでらっしゃい」
「はぁい! ですっ!」
「行こう、姉さん」
そして、双子人形は部屋を出た。

「ねえ、イヴさん」
「何?」
「家族ができるって、嬉しいこと?」
すごく喜んでた、乙女ちゃん。それに、少女ちゃんも。
「知らないわ。私に家族はいないもの」
「……そっか」
「家族が欲しいの?」
「ううん。いらない」
昨日殺された柩を直しながら会話する。
「その選択が一番。乙女も少女も、変な情を抱かないことね。
　……どうせ殺し合うんですもの」
新しい頭をつけてやって、柩はまた命を得る。

「ごしゅじんさま　ごめんなさい。
　わたし　もう　よけいなことは　はなさない」
「そうしなさい」
「柩、行こう。お人形達はみんなで遊んでるよ」
やっぱり、柩にも“友達”って嬉しいものなのかな。
「……いかない」
「いってらっしゃい。ずっとここにいられても邪魔よ」
新しい人形を作るつもりなのか、髪になりそうな糸のようなものを持っていた。
「……はぁい」
そして、僕らは追い出された。

1時間ほど、綺麗な薔薇が咲き誇る薔薇庭園で鬼ごっこをしたり、かくれんぼをしたり、読書をしたり、思い思いの時を過ごしていた。

「皆、新しいご主人様よ。さぁ、心を癒しておあげなさい」
イヴの後ろには、小さい女の子のような男の子と、大きくて男らしい男の人が立っていた。

そして、また始まる“残酷人形劇”