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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 血まみれ人形ごっこ(オリキャラ募集中!) ( No.28 )
- 日時: 2010/10/31 16:08
- 名前: 鏖 ◆TeAoSh7Hf6 (ID: OPVNjM8g)
六ノ章「イヴ」
「なぁ、俺さイヴについて、ちょっと調べたんだよ」
人間だけが集まる部屋でそう切り出したのは崇志。
「イヴさんのこと?」
ラグが聞き返す。
「イヴさん、何も話してくれないもんね」
ポテトチップスの食べかすを口の周りにつけたままの光。
「……」
何も言わないが興味はありそうな闇。
「それがさ、昔……。1000年ぐらい前だ。イヴって言う王女がいて、そのイヴには婚約者がいたらしい。
互いに愛し合っていて、結婚に反対する者はいなかった」
ポテトチップスのパリパリいう音もやんで、静寂に包まれる。
「それが、隣国の王子が、イヴ王女が好きだったらしい。
“イヴ王女を力づくでも手に入れる”って、イヴ王女の国に戦を仕掛けたらしい」
「イヴ王女は、自分ひとりの為に大勢の兵士が傷つくのがいやで、自ら王子の前に出た。
だが王女は“貴方のような無能の男の妻になるくらいならここで死ぬ”と言った。
その言葉が王子を逆上させてな。王子は王女の胸に剣を刺した」
「王女を守れなかった悲しみで、王女の婚約者の男はイヴ王女にそっくりの人形を自らの手で作った。
その人形に、奇跡的に魂が宿った。婚約者の男は喜んだ。
……が、イヴ人形に心はなく、婚約者の男を殺し、次々と民も虐殺したらしい」
「なんだ、その人形があのイヴだって言うのか」
口数の少ない闇が、少し驚いたように言う。
「イヴさんに直接聞こうよ!」
「ダメだよ光君。答えてくれるはずない」
「……あいつら ごしゅじんさまのひみつ しった
いきては かえさない」
ごしゅじんさまは あたらしいにんぎょうを つくっている
“やづき あやか”そうなづけられた にんぎょう。
「……そうね。でも、もう少し様子を見ましょう」
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