ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ペルセウス ( No.8 )
日時: 2010/12/05 18:15
名前: クロス ◆YnxfJR0Rdc (ID: rXEJOjNA)

3話「NO.…」(2)
ー日本国内某研究所
「先生?少しお休みになったほうが……」
「いいの。こんなの慣れてるわ。あぁ、レポートは見ておくから。今日はこの部屋に入らないで頂戴。」
「……はい。わかりました。失礼します」
先生と呼ばれる女の机には『帝国大学長 浜松佑樹』という札がたててあった。
「……NO.001、カエデ、田代楓……全部私が付けた名前だわ。
どこまで私に歯向かえるかしら?私の…私の……」
佑樹は言葉を止め、机上のレポートを読み続けた。
読んで読んで……
そして、23枚目のレポートを捲ろうとしたとき、頭痛が起きる。
「っ…」
必死で痛みを堪える。
佑樹は決して精神的に弱いというわけではないのだが、「23」という数字は彼女に苦痛を与える。
どうやら無意識の内に数字を意識してしまっているらしい。
彼女の専門は遺伝子学のため、霊などは信じないのだが、子供の泣き声が聞こえてくるのだ。
23人目の子供を殺したあの日からずっとだ。
あの日……それは彼女が研究を始めて3年目の19歳の6月23日。
NO.001を産む丁度1年前だった。
ー太平洋上空 飛行機内
「くっ、いよいよ動きおったか。あの女の汚らわしい血が流れる餓鬼にどこまで押されるかのぉ。…女総理さんよぉ。」
だが、老人の笑い声はすぐにきえた。
3月25日午後7時21分、太平洋上空で帝国航空の旅客機が炎上したと日本の現トップ坂見直が知らせをうけたのはそれから5分もしないころだった。
「あと何人?」
彼女は隣の男に尋ねる。
「8人です」
男はさらりと答えた。
「ねぇ、津田君、くれぐれも、あのバカにわからないようにして。いいわね?」
「はい。もちろんです」
そして、またさらりと答え、秘書、津田晶は部屋を出ていった。




=後書き=
こんにちは★
3話を読んでいただきありがとうです。
世界の皆様に感謝です!!ええ、もう。
でわでわ暑苦しいクロスでした!!
  ↑
爽やかにいきたかったのに…