ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ペルセウス ( No.9 )
- 日時: 2010/12/05 22:20
- 名前: クロス ◆YnxfJR0Rdc (ID: rXEJOjNA)
4話「忍とゴースト」
ーイギリス ルイス・キャンベラー邸
ロンドンから少し離れたところに位置するルイス・キャンベラー邸は、静まりかえっていた。
午後、陽の当たるテラスで1人の少年がティーカップを傾ける中、女の叫び声がきこえた。
「キャア〜〜〜〜〜〜〜!」
少年はティーカップをわるのでは?というような勢いで乱暴に立ち上がりテラスからリビングに向かう。
「っ!…なんです!?母さん」
「ごめんねーっ!怖い顔しないでよぉ。もうホントびっくりしたんだから…」
「何にです?」
「…ほらぁ、あの暖炉の火がゴーストに見えて…」
「…はぁ?」
少年は呆れてものもいえなくなった。
「奥様っ!だっ、旦那様がっ!銃っ、銃を持ってこちらに向かってきています!!!」
メイドが慌しく報告してきた。
「…母さん、何したんですか…」
少年は『ぬうっ』と表現すべきオーラを纏っていた。
「ちっ、違うのっ!…ルイスに『ゴーストがいるっ!』って電話しただけなの…」
金髪だが、顔は東洋人という女はしゅんとしていった。彼女は鈍感なりに息子のオーラを察したらしい。
「…あなたって方は…」
半分、諦めが混じった声で少年は呟く。
「ちょっと、刹那!?どうするつもり?」
「…母さん、この家が潰れたらどこに住むつもりですか…?」
少年は扉に向かって歩き出し、口元を歪ませた。
メイドと2人きりになった母、琴子・キャンベラーはにっこり微笑んだ。
「んーと、竪穴式住居とか?」
「…奥様、お坊ちゃまがお聞きなさったら何と仰るか…」
「んー?きっと賛成してくれるわ」
メイドはとりあえず微笑んでおいた。
「なわけないわよね。刹那はルイスの血を引いているんですもの」
「奥様」
メイドは琴子を嗜めた。
「駄目ね。調子狂うわ。」
「琴子様、もう飛びたいなどとお考えにならないでください」
「……」
「琴子様、私にあなた様のお名前を呼ばせないでください」
「……千麻は滅んだ
……これも刹那のため…」
=後書き=
4話を読んでいただきありがとうです!!!
なんか日本を抜け出してしまいましたね
5話はまだイギリスのお話です
5話も宜しくです★
クロスでしたー☆