ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 狂人の遊び 気づけば500参照ゲット♪ ( No.123 )
日時: 2010/12/18 11:51
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
参照: 最近は寒い。どうなっとるんじゃい。

第46話「高木は何者?」

夜から朝へと代わる瞬間。
月は山に隠れ、太陽は山から顔を出す。
光りは一面に照りつけ、全てのものを照らした。

「ふぅあーーーっ。」

幻道は大あくびをし、目をこする。
その後、ベイルも大あくびをする。

「お、ベイル。また一緒に起きちまったな。」

「・・・気持ち悪い言い方すんじゃねえよ!!」

と、ベイルは焦った様子でそっぽを向く。
幻道は苦笑いをした。
そのあと、次々と起きる戦士たち。

寝坊なんざできない。
いつ黒の刺客が襲ってくるかわからないのだから。
釈朱側は全員が揃うまで1人殺す作戦を立てた。

今の状況、今来てもおかしくない。
宿は結構狭く、ここで襲われたら1人じゃなく全員殺されかねない。

足早に玄関から出て、長い道を歩く。
周りは結構田舎で、山が連なり、田んぼは広がる。
鳥のさえずりは----------聞こえない。

「なぁ、どこかわかるかい?青空・・・えっと。」

「第一小学校ね。全く遠いよ。あたしは電車で来たのに、歩きでなんて・・・どうかしてるよ。」

朱嵐は少し半泣きになってとぼとぼ歩く。
黒薙は腕組みをして、呆れた様子である。
とにかく、道のりは長いわけだ。





一方、釈朱側は----------

「はぁー、早く誰か殺らねぇと・・・全員揃うぞ?あと1人じゃねえか。」

釈朱はイライラした様子で黒の刺客たちに言う。
だが黙ったままの黒の刺客に釈朱は更にイライラする。

「んーだよ、お前ら!人間のくせに!無視かよ、いつもいつも・・・!!」

「それは、アンタを恐れるからとちゃうの?」

高木はメガネをキラリと光らせ、矛先を釈朱に向ける
釈朱は鼻で笑う。

「フンッ!まあ、所詮人間だしな。この神の俺がこんな奴らごときにイライラしても意味ねえか。」

釈朱は一旦落ち着く。
ガルベルは気になっていた。

恐怖でねじ伏せる釈朱のオーラに押しつぶされない高木のことをいつも気になっていた。

とてもなれなれしく、その絶えない邪悪な笑いは釈朱の恐怖より勝っている。
ガルベルは高木を廊下に呼び出す。

「はぁ、なんやオッサン。」

「・・・貴様、何者だ?釈朱の恐怖に耐えられるのか?」

すると高木はさらに笑い出す。
その笑いはガルベルを怯えさせたほど。

「何言ってはんの。俺は人間やでぇ?」

ガルベルは険しい表情で体を振るわせる。
高木はその震えを見て、うなずいた。

「あんた、俺のこと怖いんか?そかそか。しゃあないな。そらしゃあない。」

と、言い残し立ち去っていった。
ガルベルは急に体の力が抜け、床にへたり込む。

(なんなんだ・・・!?アイツは・・・。釈朱よりもはるかに超えた恐怖・・・。人間とは思えんぞ・・・)

高木は暗い廊下をコツコツと歩く。
笑みはやはり絶やさない。

「ちょっと、遊んでこよーっと。」