ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 狂人の遊び 気づけば500参照ゲット♪ ( No.130 )
- 日時: 2010/12/19 21:07
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
- 参照: 最近は寒い。どうなっとるんじゃい。
第50話「祖父」
幻道はあまりにも驚いたので目をこすった。
それでも、老人は消えなかった。
「おい・・・あんなとこに・・・じいさんが!」
そう言うと、皆も驚いた。
こんなご時世に人間観察か・・・と
「って、誰だありゃ!?」
玖我瀬は焦りながら老人に指差す。
すると老人は顔を玖我瀬に向ける。
「おや?お前たちは零のお供か?」
「へっ、じいさん・・・浅村のこと知ってるのか?」
「そりゃ、もう!だって、祖父じゃもん。」
すると全員、
「ええええええ〜〜〜!?」
と、声を張り上げ驚く。
零の祖父は耳を塞ぎ、ため息をつく。
「なかなか、お元気なお供だ。おっと、自己紹介じゃったなぁ。わしは、浅村 幸次郎。幻術師と祈祷師をしておる。よろしくな。」
祈祷師と聞くと、幻道は幸次郎に駆け寄って
正座をする。
「おねがいだ、じいさん!浅村を・・・起こしてやってくれ・・・!」
「おい、無理言うな!」
黒薙は止めたが、幸次郎は「いや」と言った。
黒薙は幸次郎の方を、心配そうに見つめる。
「これは、悪夢じゃ。」
「悪夢・・・?」
「そうじゃ。影という魔物がいるのじゃ。その影は実体を持たない。実体を盗るには、影に乗り移られた体を盗ることじゃ。悪夢を見せ、精神を弱らし、乗っ取るのじゃ・・・。」
「ってことは、今・・・悪夢見てるのか・・・。」
幻道は無表情で眠る、零を見つめる。
「零は小さい時から、影を引き寄せやすい体じゃった。何日も、何日も起きず、1年経つこともあった。じゃが、白が強いところを見せよっての。全く、零は兄のくせに、弟に励まされよって・・・。」
と、微笑みながら語った。
幻道は幸次郎に肩をバッと掴んだ。
「助かるのか・・・?!」
「・・・わからぬ。それは、本人次第。自らの影に打ち勝つことじゃ。わしらは影とは闘えんが、わしらはここからフォローできる。さあ、応援するのじゃ!今、夢で闘っているかもしれんぞ。」
「おっしゃ、任せな!俺たちは、善の戦士!どんな闇にでも勝ってやる!絶対!」
幻道は強い目で、幸次郎を見つめる。
幸次郎は、「そうか」と一言言う。
そして、数珠を取り出し、お経を唱えた。
第2章----------完