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Re: 狂人の遊び 読者待望の第三章、ついに“始動”——— ( No.138 )
日時: 2010/12/24 14:06
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
参照: ごめん、トイレの神様聞いて号泣しちゃった。

第3章 第51話「相手はもう1人の自分」

暗い-------何も見えない。
ここはどこなんだ。

寒い-------誰もいないのか?

おい!
誰もいないのか!?







赤い瞳が大きく開く。
赤髪の青年はバッと起き上がり周りを見渡す。

そこは漆黒の空間が広がっている。
だが、青年は何も驚かなかった。

すると青年は瞳を後に向けた。

「また・・・お前か。」

「酷い言い方だな・・・。少しショックだ。」

漆黒の闇から、その青年と同じ声が聞こえた。
その姿はどんどん現れていく。

その容姿は、全身真っ白だった。
髪の毛の色も、服も、肌も。
その代わり目の色は漆黒の黒。
白目さえも無い、黒だった。

そして零と同じ体つき。

白い零は零に近づき、少しニヤリと笑った。

「あの時のように勝てると思うな。俺はお前と同時に強くなる。お前と同じ頭脳、お前と同じ力、お前と同じ精神・・・。」

「お前、勝てると思ってるのか?それは無理だな。」

そのことばを聞いて白い零は眉間に少ししわを寄せた。
零は微笑んだ。

「あの時お前が負けたなら、また俺は勝てる。無駄な足掻きだ。」

白い零は刀に手に持ち、零に襲い掛かった。
だが零は簡単に自分の刀で弾いた。
弾かれ、バランスを崩し倒れる白い零。

零は哀れそうに見つめる。
白い零は立ち上がり、鼻で笑う。

「お前、どこからそんな余裕が出てるんだ?あの時は泣きじゃくりながら俺に襲い掛かってたよな・・・?」