ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 狂人の遊び 読者待望の第三章、ついに“始動”——— ( No.143 )
- 日時: 2010/12/25 13:07
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
- 参照: ごめん、トイレの神様聞いて号泣しちゃった。
第54話「怒涛の炎」
炎は燃え上がる。
漆黒の空間は永遠に続くのに、炎は空間の全てを照らす。
熱く燃え、怒りを轟かせ、闇をも焼き尽くす灼熱の業火。
その炎たちは俺の刀に宿った。
刀は形を変え、大きくなり、炎神の姿になった。
炎神は雄たけびをあげ、勇ましく立った。
「真力か・・・。」
アイツは少し、笑ってそう言った。
俺はそんなに驚かなかった。
この炎神とは初対面なのだが、なんとなく親近感を与えていた。
俺は心の中で炎神に言う。
(頼むぞ・・・。)
炎神は小さくうなずいてくれた。
アイツは刀をいきなり構えだした。
「お前が真力を使えるなら、俺だって使えるよな?」
そういうと、アイツの周りに同じように青い炎が巻き上がる。
青い炎は不気味に燃え上がり、同じようにアイツの刀に宿る。
「俺の感情は・・・欲望だ。」
アイツは不気味に笑う。
刀は形を変え、青い炎神となった。
「俺の感情には及ばない・・・。」
俺は青い炎神を見上げ、その後アイツをにらみつけた。
アイツはニヤリと笑い、問う。
「お前の感情はなんなんだ?」
「俺の感情は・・・決断だ。」
それを聞いたあと、アイツは大声で笑い出した。
「決断で欲望に勝てる?それは無理だな。物を得るためには、要らないという決断は必要ないぜ?」
俺はその言葉を無視し、炎神を操った。
炎神は手から灼熱の炎を出す。
炎は広くいきわたる。
青い炎神はよろめくが、まだピンピンしている。
「ほらな?無理だろう?」
アイツは嘲笑った。
すると、アイツは手を前に突き出す。
手に炎神が宿った。
アイツの手は炎神のような炎の手になる。
「お前には予想外だろう?その顔・・・驚いてるだろ?お前の心は透けている・・・。全部わかるんだぜ?そんな脆い心で上にいるお前の仲間を助けようってことも分かってる。それ無理だな。」
俺は下を俯いた。
体が震えている。
どうしてだがわからない。
なのに俺は怖がっているのか・・・?
どうしてだ?
別にこんなやつ怖くないのに・・・。
「おい・・・。下向いてていいのか・・・?」
俺顔がアイツの手で殴られる。
俺は飛ばされ、地面に叩きつけられる。
唇が切れ、口からは血が大量に出ている。
俺は腕で血を拭き、たつ。
だが、立ってもまた殴られる。
アイツは俺のことを嘲笑う。
「弱いな・・・。俺もお前みたいに弱いのか・・・?泣けるな。」
「殴ってばかりじゃ・・・俺はくたばらないぞ・・・。」
すると、いきなりアイツの眉間にしわがよりまた殴る。
俺はアイツの顔を見て嘲笑う。
「透けてるぞ・・・。お前の・・・いや、俺の心・・・。」