ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 狂人の遊び オリキャラ募集中 ( No.15 )
日時: 2010/10/31 22:59
名前: 月夜の救世主 (ID: 07JeHVNw)

第三話「実験室の悪魔」

全く・・・この軍・本部は広すぎる。
別に軍にはいらない部屋も多すぎる。
それにしても、こんなに広いのに下級隊員と全く会わない。どうしてだろうか、そんなことを考えながら零はたちは長い本部の廊下を歩く。

「広いねー、ここ。」

「広すぎて、歩きつかれるぜ。」

黒夜は息切れをしている。
黒夜の弱点は持久力らしい。
白はあることを疑問に持つ。

「なぁ、このゲームって軍人だけじゃないのか?確か彩佳って、女子高生だよな?」

「うん、そうだよ。」

「あれ・・・。妙だな。一般人も巻き込むのかよ、このゲームはよ。」

零も同じことを思っていた。
一般人なんかがこんな危険なゲームに参加できるはずがない、そう思っていた。
気づけば、旧実験・化学室の目の前を通りかかった。

カチャ、カチャ・・・

誰もいないはずの旧実験・化学室から音がしていた。
今は2階に新しい実験室があるが、どうして・・・。
白たちもその音に気づいた。

「誰かいそうだな・・・。」

「どうするよ、開けてみっか?」

「え、でも怖いよ〜・・・。」

確かに、恐怖感はあった。
開けて、化け物だったらどうする?
その化け物が零たち4人で戦っても勝てなかったら、
と思うと、開ける気も失せた。
すると、白はそんなことを思っている零なんて関係なしに旧実験室の扉を開けたのだ。

「おいっ!!白ッ!!おふざけはなしだと言っただろうッ!!」

零は白に怒鳴り散らす。
だが、白はマイペースにこう言う。

「いい人だったらいいじゃんよー。」

零にとったら、ものすごく腹が立った。
扉の向こうは真っ暗で何にも見えない。
音もピタリと止んだ。

「なあ、零!暗いから、火ィ出せ。」

「・・・わかった。」

零は人差し指を前に突き出した。
すると、指先から火が出てきた。

「わっ!すごい!!」

零は実験により、火属性操作能力の実験成功者である。こんなことは簡単だ。
零の火を頼りにどんどん前へ突き進んでいく。

ダッ!

誰かが走る音がしたと思えば零の刀と双剣が重なりあっていた。金属がこすれる音が響く。

「ほー。やるな。」

「お前こそな・・・。」

真っ暗で何にも見えないが声的には若い青年の声がした。男は明かりを点けた。
黒いマント、髪の毛は長く、瞳は血のように赤かっ
た。身長が結構高い様子だ。

「旧実験室は俺の思い出の場所だ。勝手に縄張りに入ってもらっては困るんだ、浅村 零。」

「なぜ、俺の名を知ってるんだ?」

「俺はお前のおかげで強くなれた者だからな。一応感謝はしてるんだぜ?」

その黒マントの男は確かに強かった。
音速のように早く、正直零は怖かった。

「俺は武装実験の第一成功者、幻道 裂だ。」

「お前がか。かなり有名だったぞ・・・。」

幻道は難易度が8割の武装実験の第一成功者だ。
武装実験は生身の人間に武器を合体させるという
惨い実験だった。50人ほど実験したが皆、武器と神経の移植の痛さに耐えられなかったせいか、ショック死してしまったらしい。
そんななか、初めて実験が成功したのが彼である。

「俺はお前が実験体になっているところを偶然見たんだよ。それから、お前は特殊能力をみにつけ火を操っていた。俺はそれに憧れたんだよ。強くなるために俺自身で実験を受けた。軍人は力さえあればなんでもできるんだ。俺はこの実験を受けてから、敵軍を何人も蹴散らせるんだぜ。嬉しい話だよなぁ。」

「ほう。俺に憧れただと?だが、俺はお前のようなヤツとは違って、好き好んで実験を受けたわけではない。」

「フンッ。むかつく言い方だぜ。なら、丁度いいぜ。俺も参加者だ。ちょいと、遊んでやるぜ。」

なんだと、幻道も参加者だと?
こんな、バカ強いやつと戦うなんて無理に決まっている。武装人間なら武器の多さによって負ける。
だからって、この状況で逃げ腰を働くこともできない。どうする・・・。
と、零が考えている間にもう幻道は行動していた。

「おい!おせぇぞっ!!」

「くっ!!」

幻道が放ったバズーカ砲を刀ではじいた。
すると、幻道はスッと消えた。

「うっ・・・どこだ・・・。」

白たちは手が出せないでいる。
すると、幻道は白たちの後へ現れみぞおちを殴った。
3人は気絶してしまった。

「おい!!大丈夫か!?」

反応がない。どうやら、深い気絶のようだ。
幻道は笑う。

「やっぱり、観戦者がいるとよ闘れねぇだろ?」

「フン・・・1対1か。おもしろい・・・。」

「俺とやるときゃ、せいぜい遅れないようにな!!」

「行くぞッ!!!」

2人の武器が重なり合う。
攻撃しても、武器で守られてしまう。
すると、また幻道は音速を使った。
そして、影分身のようになり本体が分からなくなる。

「くっ・・・!どれだ・・・!!」

すると、幻道の分身たちがバズーカを構え
バズーカ砲を放った。
弾が何方向からも飛び出し、避けられる状態じゃない。それに、この弾・・・速い!

ドーーーーーンッ!!

零に弾が直撃した。