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Re: 狂人の遊び 読者待望の第三章、ついに“始動”——— ( No.150 )
日時: 2010/12/31 10:12
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
参照: http://ameblo.jp/pokemon19/

第57話「夢の崩壊」

ガラガラガラ・・・

何かが崩れる音。
その音は悲しげに崩れる悲劇の音。
地は揺れ、次々と漆黒の空間が崩壊していく。

「なんだこれは・・・!」

「夢の崩壊だ・・・。」

アイツはヨロリと立ち、崩れ去ってゆく漆黒の壁を見上げる。
俺は動揺しすぎて呆然としていた。

「お前の夢が、壊れてるんだ・・・。」

「俺の夢が・・・?俺は壊すようなことはしてないぞ・・・。」

「お前じゃねえ。お前の『夢』が崩壊してるんだ・・・。」

崩れ行く漆黒の壁は、純白の壁へと変える。
するといきなり白い光りが迸る。

「うっ・・・。」









気がつけば公園だった。
その公園は親友だった、陽太とよく遊んだ場所。
夕焼け空が一面に広がる。

俺はふと砂場を見ると、赤髪のブカブカの青いパーカーを着る小さな男の子が1人で遊んでいた。

「あれ・・・は・・・。」

「お前だよ。」

白い俺は俺の肩をぽんと叩き、赤髪の男の子を見つめる。
俺は頭を抱えて呆れる。

「なんだよ・・・俺が沢山いすぎて気持ち悪いぞ・・・。」

「まあ、いい。この夢の彼方に飛ばされたのはお前のせいだからな。俺は引っ込んどくぜ。」

アイツはベンチに寝転がる。
俺は男の子をじっと見つめる。
砂をかき集め、小さなバケツに入れて、山を作っているようだった。
子供らしい遊びだ。

ブランコをこぐ音がする。
俺はブランコを見ると、黒髪の男の子が1人でブランコに乗っていた。

「コイツ、誰かに似てるな・・・えっと・・・。」

俺は頭の中の記憶を全部ヒッペリ返して、思い出す。
そしてピンときた。

「狂神・・・?」

黒髪の男の子は俺の方を見つめる。
そして俺に聞いた。

「誰・・・それ・・・。」