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Re: 狂人の遊び 読者待望の第三章、ついに“始動”——— ( No.154 )
日時: 2010/12/31 18:18
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
参照: http://ameblo.jp/pokemon19/

第60話「幼き子供の悩み事」

手を合わせる男の子--------狂神はハッと俺たちに気づき、じっと見つめる。俺は狂神に聞いてみた。

「お前、何してる?ここは・・・こ、子供禁止区域だぞ。」

「・・・昨日のお兄さんだよね。僕は、もう・・・ダメだ。」

狂神は下を俯き、泣きそうになった。
あの凶悪な雰囲気を漂わせるいつもの狂神とはまったく違う表情。
俺は狂神の元へ静かに歩き、ポンッと手に頭を乗せた。

「泣くな、男だろ?男なら、泣くんじゃなくて、耐えるんだ。まぁ、俺は出来ないがな。」

「お兄ちゃん、僕は普通じゃない・・・。僕は・・・。」

「お前が誰だろうと、心が純粋ならば皆一緒だ。・・・・自分だけ独りだと思うな。お前以外だって・・・独りの奴はいるんだからな。」

俺の目からは一粒の涙がこぼれる。
後ろを向いて、誤魔化し、「じゃあな」と言って俺は山から出る。
狂神はずっと俺のことを見ていた。

後からでもわかる。
その瞳は悲しみの視線。

そんな目で見るなよ・・・
もっと涙が出るじゃないか・・・。








空間はまた歪みだす。
記憶の彼方へとまた飛ばされるのだ。
アイツは呆れた顔で俺の肩に手を乗せる。

「いい加減にしろ。どうするつもりだ。俺が居る場所がなければどうやって生きていけばいいんだ・・・?」

「黙って付いて来い。生きたければな。」

空間の歪みが作り出す、記憶の彼方への道を歩く。
光が導き、闇は一つも無い。

この光がずっと続いてくれればいいのに。
闇一つ無い、世になればいいのに・・・。

まぁ、そんなの御伽噺だよな。
そんな世界は絶対にないんだ。
この世が終わろうが、続こうが、闇と光はあり続けるのだから-----







歩いた先は、学校の屋上らしき場所。
見覚えがある。

中学校の屋上だった。

俺は人と群れることが嫌いだった。
常に独りで居たくて、休み時間になったら足早に屋上までの階段を駆け上がり、屋上で空を見上げていた。

「久しぶりだな。だが、ここには何の用も・・・。」

屋上の扉が開く。
そこから、中学時代の俺が入ってきた。

「うっ・・・どっか隠れる場所は・・・。」

「あそこ、どうだ?」

アイツは半開きの倉庫を指差す。
俺はうなずき、倉庫に走った。

中学時代の俺はフェンスにもたれかかり、空を見上げる。
下の運動場をフェンスから見下げて、呟いている。
あの時と同じ俺だ。

すでに軍に入ってる時代だからな。
もう勝つことしか分からない、闘争人だったんだろうな。

すると悲しみにくれた声が響き渡る。