ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 狂人の遊び 過去へ“終焉”の知らせを放つ刻 ( No.173 )
- 日時: 2011/01/02 21:48
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
- 参照: http://ameblo.jp/pokemon19/
第67話「本当の能力」
子供の大笑いが聞こえる。
それは、燃える森林から聞こえるもの。
若き忍者兼黒の刺客の西川 牙怜。
爆破の術で雪砂を爆破したのだ。
いきなり白軍が負けた・・・のではない。
その大笑いを断ち切る、女性の雄たけび。
西川はきょとんとして、回りを見回した。
すると、茂みからボロボロの女性が出てくる。
雪砂である。
頭から血を出して、荒い息切れ。
手には爆破したはずの鴉羽。
西川はさらにきょとん。
あんな近距離で爆破したはずなのに、あれだけで済むはずは無い。
雪砂は手でグットポーズをする。
「やるじゃん・・・小僧。」
「うっ。こ、小娘・・・!?」
「アンタが一番言いたいことは・・・なんで助かった?でしょ。」
西川は首を前に10回ぐらい降る。
次は雪砂が大笑いをする。
「爆破する直前に、鴉羽を投げたんだ。ただ、逃げ切れなかったけど・・・かすった程度だよ。これでも・・・。」
西川は「キッ」と歯軋りをする。
雪砂は鴉羽を指で回す。
「この武器、特別頑丈でさ。残念でした。次は、あたしのばん!」
「いや、次も・・・俺の番じゃ!!」
「・・・セコ。」
西川は、森林の中で大きな広場を見つける。
その中心部に立ち、奇妙なポーズをとる。
「牙狼の亡、牙狼の戦士、牙狼の魔使い・・・。全ての牙狼よ来たれィィィィィィ!!」
その掛け声と同時に、周りから普通の狼とは違う狼が歩いてくる。
雪砂が鴉羽を構える。
狼たちは、西川をガードするのか前に立ち雪砂を睨みつける。
「これが俺の能力!!『牙狼』じゃ。この世に居る牙狼を操ることができるのじゃ。ただ、この現世にいる生物は全て異次元に飛ばされておる。だから、別世界の狼を呼んだのじゃ。普通の狼とは違うぞ!」
そう、確かに普通の狼とは違った。
口に剣を銜える狼、奇妙な柄をした狼と個性が豊かであった。
雪砂は思う。
(ただでは倒せない・・・。)
と・・・。
西川が、指を雪砂に指す。
そして大きく叫んだ。
「さあ、行け!!牙狼たちよッ!!!!喰らい尽くせ!!!」
一斉に狼たちは雪砂を襲う。
主のためと飯のために・・・。