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Re: 狂人の遊び 過去へ“終焉”の知らせを放つ刻 ( No.182 )
日時: 2011/01/07 13:58
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
参照: http://ameblo.jp/pokemon19/

第72話「俺は人間なのか?」

「・・・あ、あんたは・・・!?」

雪砂は痛む右腕を押さえながら、声の主を見る。
赤いパーカー、青い髪の毛・・・零と顔が似ている。

白だった。

白は、黒軍に操られて以来ずっと会ってなかった。
だが、今回は様子がおかしかった。
いつも明るく振舞う、白とはまるで剣幕が違うのだ。

西川は、倒れた血まみれの狼たちを見て白を見つめた。

「どういうことですか・・・白さん・・・。我らの仲間だと・・・仰ったではありませんか・・・!」

「いつ俺が・・・言ったのさ・・・。」

雪砂は白の足をふとみた。
足がふらふらしている。

「ね、ねぇ・・・白ちゃん。あたしがやる。白ちゃん、足・・・ふらふらしてるよ。疲れたんだろうね。あたしが、この生意気忍者っ子とケリつけるから、そこで休んで。」

右腕から血が流れている。
左の手で鴉羽を握り締め、構える。

「覚悟しな。あんたの弱点・・・わかったから!」

「うっ・・・!」

雪砂は何も思わず、西川に近づいていく。
西川は半泣きになる。

「・・・ごめんね。」

その一言を言った後、鴉羽を西川の首に突き刺した。
首から血を噴出し、倒れた。
雪砂は西川の亡骸をずっと見つめている。

「・・・おい・・・雪砂?」

「うっ・・・?あ、はいはい。」

雪砂は白に駆け寄る。

「ねぇ・・・どうしてここに来たの?今の状況、あたしたち敵同士でしょ?」

「・・・いいたいことが2つあって来たんだ。」

白の息が荒い。
何かされたんだ・・・と、雪砂は思った。
白と雪砂は茂みに隠れた。

「何?いいたいことって・・・。」

「1つ目は、質問だ。」

雪砂は少し妙な胸騒ぎがしてならなかった。
手が震え、顔色が悪い白を見ると何かあったんだと思ったからだ。

「俺は・・・人間か?」