ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 狂人の遊び オリキャラ募集中  ( No.20 )
日時: 2010/11/03 16:43
名前: 月夜の救世主 (ID: 07JeHVNw)

第七話「世界破滅」

「お嬢チャンには手を出したくないのだ。さぁ、来なさい。」

ブレックが三木に手を出すと、刃がブレックの手を貫く。手は中に舞い、血しぶきを上げながら地面に落ちてゆく。

「うおおっ!?い、一体・・・。」

「おやおや、おっさん。女相手に1対3か。卑怯にもほどがあるよ。」

三木は驚いた目でそのブレックの手を斬った、人物を見る。黒薙 故だった。
黒薙は、三木を見た。

「大丈夫だった?よし、待っときな。すぐ終わるから。」

そういうと、一瞬で消え一瞬でブレックの見の前に現れた。ブレックは急いでサーベルを出し、振り回す。
だが、そんなのはお構いナシで避ける。

「お、おのれっ!!化け物めッ!!」

「そうよ、あたしは化け物だよッ!!!」

黒薙は、腰の短剣をすばやく出し剣を振り上げた。
すると、黒い風が辺りを覆う。
気づけば、ブレックや白たちがいなくなっていた。

「チッ!逃げられたみたいだな。」

「あ、あの・・・ありがとう。」

三木は、精神的に疲れたのか目が垂れていた。
黒薙は、短剣をしまった。

「礼はいいよ。っていうか、あんたらの仲間どうすんの?そこの、男も。ってか、また怪我!?」

黒薙は大きなため息をつき、零の肩をとり救護室へ運んでいった。



救護室



零と1時間ほど前に運ばれた幻道 裂が寝ている。
三木はその二人を見ながら、あることを思い出す。
黒薙が、グレックと闘っていた時・・・

「そうよ、あたしは化け物だよッ!!!」

って、言った。一体どういうことだろう。
三木は聞きたかったが、初めて会うのかどうか知らないが、黒薙のことがなんとなく怖かった。
聞こうかどうか迷っていると、

「アンタ、あたしのこと考えてるでしょ?」

図星。勘が鋭い。というより、心を読んでいた?
三木は小さくうなずく。

「あっはっは!そりゃ、誰だって気になるなぁ。あたしは、魔人。思いっきり化け物さ。」

「あの、魔人ってことは・・・人間を食べちゃいますか・・・ね?」

三木は声を震わせて言った。
黒薙は少し驚いた様子だが、後から優しく言った。

「あたしは、そんな悪い化け物じゃないよ。そりゃ、食料はあるけど、人じゃないよ。あたしの食料は『知識』だよ。」

「ち、知識・・・ですか?食べられるの?」

「あたしはね。あ、思い出したら腹減った。何かおいしい情報は無い? おなかすいて死にそ——…」

「へっ?あ、本持ってるじゃないですか。」

「あぁ、これ?もう、食べちゃった。他のなんかあるかい?」

三木は本棚などを調べるが、それも殆ど平らげたという。すると、本棚の下の隅っこに異様なオーラがただよった、古い本を見つけた。

「あの!これ・・・。」

三木は黒薙に本を手渡す。

「おおっ!こりゃ、よさそう。感謝するよ!」

黒薙は、本のい1ページ1ページめくって行く。
すると、黄色い発光体が黒薙の体の中へ入っていく。
三木は、不思議そうにその発光体を見ている。

「ぷえー!お腹いっぱい!まだまだ、いっぱいあるよ。しっかし、なんとなく変な本だね。さわると、熱くなる・・・。」

三木もうなずく。この本を持ったとき、まるでストーブの熱気を触っているような気がしたのだ。
本の中身は白紙である。
黒薙は、三木を見て言った。

「ねぇ、あんたは参加者なんでしょ?闘る気はあんの?」

「い、いいえ・・・ただ来いと言われただけで。」

「ふぅん。そうか、ここの参加者は殆ど闘る気ないのか・・・。だから、あんなマネを・・・。」

「どうか・・・されました?」

三木は、黒薙の顔を覗き込む。
すると、黒薙はベッドに座り語る。

「確か、あんたらの高校生徒が全くいなかったわけでしょ?」

「はい・・・。」

「今、この世に残っているのは特殊能力などの特別な力を持った者だけ。後は皆、狂神にやられたのよ。」

「えっ!!そんな・・・!どういうこと・・・!!」

「言わなかったかしら?狂神は夢の中で弱者は参加者ではないと・・・。それよ。一般者は何にも使えないタダの雑魚。特殊能力所持者と闘っても、とうてい勝てない。それでは面白くないと思ったんでしょうね。」

三木は、悲しそうに下を向く。
自分の友達や家族も皆死んでしまったのだから。

「そういうことか・・・。」

零が起きたようだ。
三木と黒薙は、零を見る。

「く・・・ッ!!と、いうことは・・・。この特殊能力所持者が闘い、とんどん死んでゆく。じゃあ、人類は・・・誰一人いなくなる。」

「そうだよ、頭良いね。狂神の狙いはそれだ。神にならせるというのは嘘。神の称号は分け与えられないからね。」

教護室内はどんよりと重い空気に変わる。
世界の破滅がどんどん近づいていっている。

「それじゃあ!今、もしかするとこの軍内じゃなく・・・いろんなところにも、特殊能力所持者がいるんだよ!闘いをやめさせなきゃ・・・。」

三木は零たちに言う。
零は大きくうなずくが、黒薙は下を向いたままである。

「無理だよ。狂神はそれを許さない。あたしだって、ブレックとかなら倒せるけど・・・狂神は・・・無理がある。」

「・・・いや、逆に面白がる。狂神は俺たちは闘わない主義だが・・・他のところには、凶悪なヤツがいるかもしれない。」

「そうか!」

黒薙は、三木が拾った本を持つ。

「旅は・・・長いよ。」

黒薙は覚悟ができているようだ。