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Re: 狂人の遊び 過去へ“終焉”の知らせを放つ刻 ( No.216 )
日時: 2011/01/15 21:48
名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
参照: http://ameblo.jp/pokemon19/

第87話「その心があれば」

もうダメか。
こんな近距離でよ、血だらけのボロボロで・・・。
キレた、コイツを回避できるなんて無理だよな。
残念だが、ばあちゃん・・・俺は、先に逝くかもな。

幻道は諦めた。
勝てるはずがないと。


バキュンッ!!


銃声が聞こえた。
黒沢から血が噴出す。
黒沢も驚きが隠せないのか、周りを見渡す。

「よーし、命中。」

「だから!!殺しちゃいけないってっ!」

男女の話し声が聞こえた。
幻道は意識が朦朧とする中、その声の方を見た。
赤髪のスーツの男と栗色のポニーテールの女・・・?

「お前・・・ら・・・。まさか・・・。」

そのまさか。
ベイルとレアリスとアスターである。
幻道は「幻覚でも見てるのか?」と思ったが・・・できれば本当であってほしかった。

「なんなんだ・・・?!お前たちは・・・!どうやってここへ・・・。」

「それは、秘密だよっ。」

ベイルが弾を撃つ。
その後にレアリスが呪文を唱え、弾に魔力が宿る。
魔力によって弾は電撃を帯びる弾と化した。
青白い電気が「バチバチ」と鳴りながら、黒沢へと飛んでゆく。

バリバリッ!

黒沢に電気弾が直撃する。
電気が体中に響く。
黒沢はその後よろめきながら倒れた。

ベイルはガッツポーズ、レアリスは額についた汗を拭った。
幻道はじっと二人と一匹を見つめる。
ベイルは顔を青白くし、幻道に駆け寄って揺すった。

「おい!!黒マント野郎ゥ!!死んでねぇか!?なぁ!!」

幻道はなにも表情を変えず、途切れ途切れの言葉で、

「あぁ・・・・・・・。」

と、返事をした。
その声を聞いた、ベイルはさらに顔を青白くした。
このままでは幻道は死ぬと思ったのか、レアリスに泣きつく。

「なぁ!!治癒できるのかぁ!?なぁ!!なぁ!!!」

「わぁぁぁぁ・・・。あ、焦らないで。私が治すから、ね?」

それを聞いて安心したのか、ベイルはさらに泣き出す。
アスターはちょっと小さなため息。
レアリスが祈りの力で治癒する。
傷はみるみるうちに塞がり、血も消えていく。

「うぁ・・・。」

幻道はバッと起き上がる。
周りを見回し、ベイルたちを見る。

「なぁ、俺ってまさか生きてる-------

「あったりめぇだろーが!!心配させやがって、きょとんとしてんじゃねぇよ、きょとんと!!ビシッとしやがれ、クソッタレェ!!」

そんなこといってながらベイルの目には大粒の涙がこぼれていた。
幻道はニッと笑って、ベイルの首を絞める。

「俺は不死身だコラァ!!いつでもビシッとしてらぁ!!」

「ぐべべっ・・・。」







「それよりよ。」

幻道がレアリスたちに聞いた。

「どうして、んなとこに来れたんだよ。」

「星のみんなが異次元渡りのお手伝いをしてくれてるんだ。こうやって異次元渡りをしている理由はね---------。」






その影で舌打ちの音が聞こえた。