ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 狂人の遊び 過去へ“終焉”の知らせを放つ刻 ( No.228 )
- 日時: 2011/01/16 23:39
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
- 参照: http://ameblo.jp/pokemon19/
第95話「強大な電気」
次々と刺客を倒してゆく中、彼女は対戦相手を探していた。
ここは雪山といったところか、積雪しており、岩がところどころ出ている。対戦相手を探す女性、黒薙 故はその寒い雪山を彷徨っていた。
「なんで、自分から出てこないのよ・・・。」
頭をクシャクシャにして、苛立つ黒薙。
するといきなり体中に電気が迸った。
周りを見渡し誰か居るのかと探すが、人の気配なんてない。
「いや、君が僕の存在を消しているのかな?」
後で青年の声がした。
後を見ると、銀髪の青年が笑みを浮かべずっと見ている。
なにか雰囲気的に気味が悪かったため、一歩下がった。
「あんたかい?対戦相手ってのは。」
「君こそ。対戦相手ってのは。」
なんだこいつ、いちいち言うことといい行動といい・・・気味が悪いというか、意味不明だと黒薙は心の奥で呟いた。
とにかく敵で分かった以上、倒すのみと短剣を取り出し早速襲い掛かる黒薙だったが、不吉な笑みを浮かべる青年に少々抵抗はあった。
「それ・・・。」
青年は指をピッと出す。すると紫色の電気が現れる。
その電気を手のひらに乗せ、黒薙に突き出す。
「これ、なにかわかるかい?」
「・・・何よ。」
「プラズマ。僕の能力はプラズマを自由自在に作り、操ることが出来る『究極電子(プラズマ)』さ。」
そういった後、手に乗せていたプラズマの塊を投げた。
黒薙は危機一髪で避ける。そのプラズマはそのまま飛び、岩に激突する。大爆発を起こし、髪の毛が少したった。
「ちょっと髪の毛が立ったでしょ。電磁だよ。」
黒薙に恐怖を覚える瞬間が来た。
ちょっと待てと手をあごに当てあの岩を見つめる。
(あんなに遠くへ飛んでいった・・・。なのに、ここまで電磁が来る--------ということは、直接当たれば・・・丸焦げ!?)
いや、骨も皮も残らないかもしれない。
相当な破壊力に怯える黒薙。そうこうしている間に青年はまたプラズマを作り出し、それを次は上へ上げた。
バリバリバリッ!
青白い電気が地を貫く。
「え?雷・・・?」
「そうだよ。雷だって立派なプラズマ。」
「ふうん。でも、普通の雷なら・・・。」
青年は笑う。
馬鹿だ、これでも戦士か?
自分にこんな楽な勝負くれていいのかと。
青年は微笑むのではなく嘲笑う。
「そう油断しておけばいいさ。僕はプラズマを作るだけじゃなくてウソを作ることも得意だからね--------------。」