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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 狂人の遊び 過去へ“終焉”の知らせを放つ刻 ( No.234 )
- 日時: 2011/01/21 17:12
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
- 参照: http://ameblo.jp/pokemon19/
第98話「全てを守る盾」
音が全てを枯らし、苦しめる。
ついに、砂漠がただの枯れた平地になってしまった。
紅賀崎の狂音は第四狂騒曲になってしまった。
「あらぁ?まだくたばってませんの?なら、もういいですわ。その硬い体が割れるほどの音をあなたに捧げますわ。」
音の高さは最高音に達し、狂音は第五狂騒曲に入った。
周りのものは腐り、存在自体なくなってしまう。
ルィンはじっと紅賀崎の様子を窺っている。
紅賀崎は(もう無理でしょ。)と自分が勝ったことを確信していた。まず、それが1つめの油断。2つめの油断は---------------
紅賀崎が息継ぎをした。
(今だ-------------------!!)
今まで受けていた音を弾き、反射させ、紅賀崎に全て受けさした。
紅賀崎は耳を塞ぎ、悲鳴をあげる。
銀の銃から放たれた、弾は紅賀崎に向け何発も体に入り込む。
「うあああああぁぁぁぁぁッ!!!」
これが2つめの油断。
と、いうよりせねばならないことを隙と見る。
人間はいつまでも息を止められない。
笛は息を使う楽器であるため、やはり息の補充は要るだろう。
紅賀崎の耳は一瞬にして鼓膜が破れ、何発も銃弾を食らったため動けない。目玉だけルィンに向ける。訴えている、そうルィンは思った。
この体が朽ち果てようが、自分はお前を恨むといったような目。恨みと怒りとプライドに満ちた目。哀れ過ぎて目すら合わせられない。
「・・・合掌。」
そういい残し、さっと背中を向け朽ち果てた砂漠を歩く。
その後姿を見届けながら、その目はどんどん閉じていった。
(死んでも恨む--------------------。)
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