ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 狂人の遊び 過去へ“終焉”の知らせを放つ刻 ( No.246 )
- 日時: 2011/01/22 10:36
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
- 参照: http://ameblo.jp/pokemon19/
第106話「永遠の友達」
人形は何も言わず、ただただ包丁を振り回し、サランに襲い掛かってくる。弾いても弾いてもむっくり起きて、また来る。サランの体力を奪うという作戦か?
「きいい!!なんだ、コイツら!!全然、食らってないじゃん!」
原田はその戦いを人形のようにじっと見つめている。
別に何もしていない。手も動かしていない。ただじっと見ているだけ。
その目は人形に行っている・・・ということは?
サランは棒を振り回し、人形たちを弾き飛ばし、原田の元へ走った。
だが、人形たちはしつこく追いかけてくる。刃物はサランを狙う。
「えぇい、しつこいね!!」
サランは手を素早く横に振る。
すると強風が本堂中流れ、人形たちは遠くへ飛んでいった。
その隙にサランは原田の後頭部を殴ろうとした・・・その時。
バタバタバタと走る音がした。
(まさか------------!!)
そのまさかだ。
人形たちは目を光らせ、サランに包丁を突きつける。
(速いッ!速すぎるでしょっ!?)
棒を振り回し、弾こうとした!
だが猫の人形が素早く避け、サランの背中を包丁で斬り付けた。
血が吹き飛び、仏像につく。
「うぐっ・・・!」
「もう、終わり・・・・?私は歯を食いしばったつもりよ・・・サランさん。」
「あぁ、そうかい・・・そうかい・・・。」
サランは棒をつきながら、重い体を起き上がらせる。
汗をダラダラ垂らしながら、原田を笑う。
「でもね、わかったんだ。」
「・・・?」
原田は首を傾げ、サランを見つめた。
サランは棒をグルングルン回し、ビッと先を原田に向けた。
「こうすりゃいいんだ!」
人形が起き上がり、最後の止めを刺そうとしたとき!
サランは手のひらを原田に向ける。
すると、原田は首をクルクル横に回し、焦っている。
そう、幻覚を見せたのだ。
そうすると、人形はへなへなと倒れ、ピクリとも動かなくなる。
「よし!!成功したー。」
「えっ・・・?!皆、どうして---------ッ?私だよ?!」
サランは彼女にとってとても辛い幻覚を見せている。
彼女の友達が、いじめてくる幻覚。
サランもこんなことはしたくなかったが、仕方ないのだと自分に言い聞かせた。
「・・・あたしの勝ちだよ。」
サランは思いっきり原田の後頭部を殴りつけた。
原田は涙を流しながら、倒れる。
苦しみながら死なせるのは性に合わなかった--------。
サランは自分のハンカチで、彼女の涙を拭き取り、
友達の人形を彼女の手に握らせた。
「あんたらは、永遠の友達だ。」