ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 狂人の遊び オリキャラ募集中 ( No.26 )
- 日時: 2010/11/06 14:55
- 名前: 月夜の救世主 (ID: 07JeHVNw)
第十話「真力の覚醒」
三木は大粒の涙をこぼす。
その裏ではブレックが大きな口を開けて笑っていた。
「わっはっはっはっ!目の上のこぶが1人消えたかッ!」
三木はショックのあまり腰の力が抜け、座り込んでしまった。涙で顔がグチャグチャである。
黒薙は大きな舌打ちをする。
表情はいらだっているが心の中では少し泣いている。
狂神は嘲笑った。
「仲間1人死んだところでウジウジ泣くって・・・。ホンットうっとおーしいね。はぁ。隙ありすぎだし。もういいかい?殺っちゃってサ。」
狂神は手を天にかざす。すると手に黒い波動が出来始めた。波動はどんどん溜まってゆく。
「さよーなら。」
「こらこらこらーーーッ!!!」
上から女の声がした。
狂神は上を見上げると、そこには雪砂が刀を振りかざして落ちてくる。
「大胆な女の子だなあぁ。それでボクを斬ろうってかい?そうは・・・いかないよっ。」
そういうと、サッと避けた。
だが雪砂はハンッと鼻で笑う。
「斬るんじゃないよ!刺すんだよ!」
雪砂はすばやく、狂神の腹部を突き刺す。
狂神はうなりだす。
「ううおッ!」
「ど〜んなもんだ。アンタみたいな面倒くさいやつは大嫌いだからついつい。」
雪砂はそう言って、黒薙に喋りかける。
「ほら、金髪のおねぇさん!今はとにかくにげよっ」
すると、黒薙はボーッとしてたのかハッと目を覚ます
雪砂ははぁっとため息をついた。
「す、すまないね。でもあれだけじゃ、あいつは死なない。とにかく、動きを止めるわ。」
黒薙は指を出し、呪文を詠唱する。
たちまち、狂神の周りには黄色い輪が出てきて、
狂神を縛り上げた。
「おいッ!なんだこれ!外せェェ!」
「ワガママはお坊ちゃんはそこで寝ときな!」
雪砂たちは軍の倉庫に身を隠した。
黒薙は淡々と口を開く。
「どうして、アイツは止めたの?ホント・・・バカなんだから。死ぬつもりで行ったのか?」
雪砂は黒薙に怒鳴りつけた。
「アンタさ!死んだとでも言いたいの?はぁ!アンタも狂神と同じくらいに面倒くさいヤツだねっ!」
黒薙はそんなことを言われて、無性に泣きたくなった。でも、確かに雪砂の言うとおりっぽい。
ウジウジしててもダメだ。今はとにかく、大丈夫だと思い続けるしかない。
一方、三木は・・・
「はっはっはっは!血も大量に出てるんだ。泣いてる暇があれば、手当てすればいいではないか!」
ブレックは相変わらず、三木を嘲笑い続ける。
三木はただ泣くしかなかった。
三木にとって零はお気に入りだった。
なのに、こんな最低な男に殺された。
そう思うと、怒りがこみ上げてくる。
「アンタっ!大事な人の命を奪ったくせにッ!よくそれで笑えるわねッ!!もう許さないから!絶対!!」
すると三木の周りから黒い煙が出てきた。
その煙どんどん刀のようになった。
三木はその刀を手に取った。
「二刀流・悪神龍影丸ッ!!」
その刀からは、一本の時よりすさまじい邪悪な力がただよっている。
ブレックはまた笑う。
「ほおっ!面白い!実に面白い!前より強くなったねぇ。さあ、ドンと来なさ・・・。」
ブレックが話している間に三木はブレックの背後に回っていた。
ブレックの顔から笑みが消え、恐怖へと変わった。
すると、ブレックの影から手が出てきて体中を掴んだ。もう、身動きが出来ない状態だ。
「うわわわっ!助けてくれッ!お命だけはお助けを!」
三木はブレックを強い目力で睨みつける。
「よく言うね、そんなこと。人を散々コケにしたくせに?よくあるのよ。ドラマで。悪役が助けを求めてるの。主人公は助けるけど、嘘付いて主人公をやっつけちゃうの。十分わかるのよ、あたしは人の心を読めるのだから。」
そういって、三木は刀を十字にした。
その十字の中心から煙が集まりだす。
その煙はみるみる内に、火炎と化す。
「影龍の鬼火ッ!!」
三木は鬼火を放ち、ブレックに直撃した。
ブレックは一気に燃え上がり、苦しむ。
「ウギャアアァァァ!・・・く、くそお!ナメた私が馬鹿だったようだな・・・。覚えてろッ!地獄でお前を待ってるからなぁ!わっはっはっは!!」
そういうと、ブレックは骨になってゆく。
火は消えてゆく。
残ったのは、ブレックの骨の残骸だった。黒薙と雪砂が三木の元へやってきた。黒薙は言った。
「アンタ、真力使えたのかい?!」
三木は怒りに任せて行動したので何がなんだかよく分からなかった。雪砂もわからない。
「真力っていうのは、武器一つ一つには真の力があるんだ。それを引き出す力を真力っていうのよ。」
「へ、へぇ。」
一方別館の屋上では・・・
「ブレックが倒された・・・。」
ガルベルが後で手を組んで真顔で見る。
釈朱は笑う。
「じゃあ、ブレックのお供どーすんのかなぁ?」
「フンッ、あんな女ごときに倒されよって。」
釈朱は口笛を吹く。
すると、扉から操られた黒夜と白が入ってきた。
「こいつらも、連れて行こうぜ?なかなかやるやつだと思うんだよなぁ。」
ガルベルは鼻で笑う。
「よさそうだな。じゃあ、例のものをするとするか。」
「ウッケッケ。あぁ!楽しみだぜ・・・。」
運命の時が今、動き出そうとしていた。