ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 狂人の遊び 過去へ“終焉”の知らせを放つ刻 ( No.261 )
- 日時: 2011/01/23 00:13
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
- 参照: http://ameblo.jp/pokemon19/
第117話「三つの光り」
3つの善は世界を救うって聞いたことがある。
当時俺は、世界を救うなんて考えてもいなかったときだ。
確か----------、こんな感じだ。
一つ、強き決断の元 全てが決まる
二つ、勇ましく 怯まず 全ての者のために闘える勇気
三つ、全てを背負う 大きな背中の持ち主 力強い責任感
だって。
正直笑った。ゲームみたいな話だなと。
でも、いざこういうことを自分でするとなると---------
大変だな。
3つの光りが体育館中を照らす。
赤い光と青い光、そして黄金の光。
光に弱い屍姫は「うがが・・・」と唸りながら光を避ける。
「こ、これが真力か・・・。」
黒夜は自分の銃を見て驚いた。
さっきまでボロイ普通の銃が一瞬にして金色になる。
「これ、売ったら何円だろ・・・。」
と、ボソリ呟く。
一方、青い光を放つ白。
刀は姿形を変え、青い龍へと姿を変えた。
「うっひょー、すげぇ。」
そして、明るい情熱の炎と赤き光を齎す零。
刀は2つ。自分の刀と影の刀。
その2つは燃え上がり、2体の炎神と化した。
「さて、最後の戦い。勝ってみせる!」
零が2体の炎神を操り、屍姫へと襲い掛かる。
熱き拳を何発も食らわせる。
相当ダメージを受けているようで、少しずつ影が消えていく。
水龍は雄たけびを上げ、口から水圧5tにもなる水を発射する。
そして硬い尾で打撃した。屍姫は守る余裕さえも無い。
黒夜は銃撃の神の名を汚さぬように、得意の連射をする。
だがいつも以上に弾の速さが遅い。まあそれもそうか。弾の強さが異常なほどに強いということはそれだけ重いのかと黒夜は思った。
屍姫はもう断末魔しかあげなくなる。
醜い声とその姿。
見るのも辛くなる。
一体彼女は何のために生まれ、何のためにこの世に新たな運命を呼ぼうとしたのだろう。それは、エターナにだってわからない。高木でさえも・・・。
屍姫の影は、消滅していく。
唸っている・・・いや、泣いているのか?
「これで、本当に本当の最後だ・・・屍姫!」
一気に攻撃をする。
「あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
屍姫の苦しむ声。
影はガラスのように散り、消えてなくなった。
雨の音は止み、太陽の光が窓から見える。
そして、ずっと聞こえなかった鳥のさえずりが聞こえる。
「終わった。この闘争、そして殺戮のゲームも。俺たちは、悪をリセットしたんだ・・・。」
「あぁ、やったよ。」
倒れていた、戦士たちも起き上がる。
屍姫が消滅したことによって、今までのことがリセットされたのだ。
この戦争も、この狂人の遊びのことも。
黒薙が、むくりと起き上がる。
零を見つめて、言った。
「勝ったのね・・・。」
零たちはコクリとうなずく。
幻道とベイルは「うおおおおおーーーし!!」と2人でハイタッチする。三木と雪砂、レアリスは手を繋ぎあい、涙する。
この世に平和が訪れた。
これが誰もが望んだ、悪一つ無い平和。
「よっしゃ!!外、出てみようぜー!」
白はいつものハイテンションで体育館の扉を開けた。
すると、人々が歩き、車も走る・・・久しぶりに見た光景。
異次元トンネルから戻ってきた人々。
今まで静かだったのか、五月蝿く聞こえる。
でも、そんなことでもとっても嬉しかったのは皆一緒だった。
「お別れ・・・だな。」
黒薙が下を俯き、皆に言った。
皆、寂しいのか一瞬にして静まり返る。
だが、黒夜と白は励ます。
「お別れとか言うなよー。何処いったって一緒だ。俺たちは。」
「あぁ、そうだ!」
「そうだね。」
まるで卒業式だ。
大げさすぎてわらけてしまう。
でも、悲しいといえば・・・悲しいか。
みんな、ありがとう。