ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 狂人の遊び ( No.94 )
- 日時: 2010/12/05 21:00
- 名前: 月夜の救世主 ◆WABCAFs6Hg (ID: 07JeHVNw)
- 参照: よっしゃあああ!!金曜も更新できるようになったぞぉぉぉ!!
第35話「王」
森を出て、普通の街にたどり着く。
疲れたので、近くに寝床はないと周りを見回す。
すると、丁度いいところがあった。
病院だ。
病院ならベッドもいっぱいあるし、寝れるだろうと思った黒薙は、仲間を病院に誘導する。
1階の病室に入り、ベイルと幻道はベッドに飛び込む
「うぃ〜〜〜!きもちー・・・。」
「あぁ、そうだなぁ・・・。」
そうとうつかれたのだろう。
3分も経たないうちに寝息をたてる二人。
他の仲間も寝ることにした。
その夜、コツコツと廊下から音がした。
早く寝てしまったために、早く目が覚めた幻道とベイルはベッドから降りる。
「聞こえるか、ベイル・・・。」
「あぁ、聞こえる・・・。」
「まさか・・・お・・・お・・・」
「落ち着け、幻道!!そんなわけ・・・。」
ベイルはドアを開ける。
すると月の光りに照らされて、歩いてくる者がいた。
幻道とベイルは叫びそうになる。
すると、歩いてくるものは大声で話しかけてきた。
「おい!!お前ら・・・人間かぁ?」
「はっ?」
ベイルと幻道は一緒に言う。
すると、鉄パイプを振りまわし、走ってくる。
飛び、鉄パイプを振り下げる。
なんとか避けれたが、地面には穴が開いた。
幻道は双剣を出し、鉄パイプを受け止める。
「うっはあああぁ!いいねぇ、殺戮の念がただよっててよぉ。」
「お前こそ!なかなかいい、本能してるぜ?」
パイプと双剣が重なり合い、「ギギギッ」と金きり音が鳴る。それを呆然と見るベイル。
「おいっ!!お前、見つめてんじゃねぇよ!!」
鉄パイプは双剣を弾き、ベイルの方へと襲い掛かる。
ベイルは銃を取り出し、もの凄い速さで撃つ。
男は「ぐっ」とうなる。
弾がかすったようだ。
「ほう、やるなぁ。」
「お前こそな。俺の俊足の弾をかするだけとはな。」
幻道は聞く。
「お前・・・なんなんだ?何のために俺たちを襲った・・・?」
男は少し、睨んだあと、凶悪な笑みを見せる。
「戦いを望むためだ・・・。」
鉄パイプを取り、また幻道に襲い掛かる。
双剣で受け止めるが、これが人間の腕力かというぐらい重く、少しでも力を抜くとぺしゃんこである。
「オラオラオラッ!!!こんな程度かぁ?」
「ぐっ・・・。」
幻道はとっさに男の弁慶の泣き所を蹴る。
男は「んぐゎ!?」と声をあげ、よろめく。
その間に幻道は、双剣を振る。
男の顔からはスッと切れ目が出る。
「何?!強く斬ったはずなのに・・・!」
男は「ククククッ」と笑う。
スッと経ち、首をコキコキ鳴らす。
「俺は、王なんだよ。テメェーみてーな奴に負けるわけねぇだろーが。」
「じゃあ、そのわがままな王様を部下が負けというものを教えて差し上げましょうか・・・?」
ベイルは銃を男の首につきつける。
だが男の顔は余裕だ。
「撃ってみろよ。わかるぜ。俺に負けなんざ存在しねぇってことがな。」
「では、遠慮なく。」
銃声が鳴る。
男の首から血が出るはずだった。
だが、打ち身で済んでいた。
ベイルは「はぬぅ?!」と驚く。
男は口を開けて、笑う。
「アッハッハッハ!!おろかだな・・・。あぁーあ、疲れたぁ。王にも休息を与えろよ。また、来てやる。そんときゃ、死ぬ覚悟でいやがれ。」
男は、窓から飛び降り、走り去る。
幻道とベイルはため息をつき、壁にもたれる。
「ハッキリ言って・・・死んでもよかったぜ・・・ありゃ・・・バケモンだ・・・。」
幻道は弱弱しく言う。
ベイルはコクリとうなずく。
「さぁ、病室に戻って寝なおしだ。」